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Q3.少年野球での精神力体力練習方法を教えてください

えーと、精神力体力練習方法などなどね。長い経験から。
これ一番目でしたね。
えー、どこの世界でも、よく日本人が遣うのは、心技体っていう風に言われています。 この心技体の中で何処を一番先に鍛え上げればいいのか。何が一番重要なのか。 コレは、一般の生活と、我々スポーツ社会での生活と、ものの考え方が違っていいだろうと。

で、やっぱ心っていう人もいるでしょう。体って言う人もいるでしょう。 おそらく技術っていうのは、この二つから考えると、三番目に来るんじゃないのかなと。 順番は心技体って二番目ですけども。

   
  うちの高校生ドラフト選手がなかなか出てこないのは、 「体はまだまだだが、センスは抜群」って、 “技”に重きを置いてるからなのかなあ?  
   
ドアラちゃん

えー、ここで私ら一番考えなきゃいけないのは、確かに、体も動かすとこは、脳ですよね。 自分がこう思ったこうやりたいと思ったことを思って、初めて行動に移します。
だから心、強い精神力を持つのが一番いいって風に考える人もいるでしょう。病いは気からっていうね、 あーこれもしかして風邪ひくんじゃないのかなと思ったら、何日か後には風邪引いて。 そういう予知能力みたいなもの、人間みな持ってると思います。
で、いい方に考えられるところと、悪い方に考えてしまうとこ。両方を持ってます。 だから、心の持ちようってのは一番大事っていう人がいると思います。私はそれ否定しません。 そうなんだろうと。みんなそれぞれ考え方が違って。

でも、私はこの仕事やっていて一番大事に思ったのは、この心技体の中で一番重要なのは何なんだろう、 って考えたときに、やっぱり“体”だと。

資本は体。
どんだけいい、能力を持っていても、いい技術を持っていても、 それを表現する体力、体がなかったら、これは、無理な問題だと。
まあひとつ例をあげますとね、さっき名前出しました荒木・井端。
強靭的な体力してます。
でも、この二人にその体力がなかったら、今の世の中、選手になってなかったと言われれば、 おそらくここまでにはならなかったんだろうと。

   
  プロ野球で一流になるには「週六試合のハードスケジュールを、一年間出場し続ける」っていうのが第一条件だからね。

短期のトーナメント大会であれば体力より技術なんだろうけど、 このへんが他のスポーツとの違いなんだね。
 
   
ドアラちゃん

で、彼らが心配したり、怖がったりするものはあります。
で、よく、まあ今日野球を教えてる方々いるでしょうけども、野球にはいまイップス病ってあります。

ボールをこうやって投げようと思ったらね、またまた、なんかアレして、あの、 こうやって投げたらボールが暴投行くんじゃないか、なかなかボールが手から離れない。 こうやってパッと放ろうと思ったけども、なかなかバットがうまく振れない。
頭が先にあっちの方向行っちゃって、マイナス志向でここで失敗しちゃったらどうしようかとか、 という事が頭を持ち上げてきて、おそらく多分、病気なんでしょう、これ。

で、私らそういうイップス病ってものをどうやって克服しようか、これをきちんと分析できて、 克服できるんだったら、私ノーベル賞もらえると思います。
で、本を書いたらいくらでも売れるんだろうとも思います。これの解決方法っていのは、いまだ見つかってません。

でも、見つかってないんだけども、じゃあそれは、自分たちの問題だから、他人が立ち入るものじゃない、 自分で解決してくれ、って言ったときに、それをする、しない、指導者としての、何かが壊れるんじゃないのか、 そんな勝手なことが出来んのか。 自分の出来ないこと。それは人任せで、それは本人の問題だからっていうことで片付けらるのか。見世物じゃないだろって。

でこのイップス病ってのは本人の言うよりも、私は技術が無いんだろう、これが出てこないような技術を身につければいいんだ。
これある日突然出てきます。
今まで何ともなかったのが、急にそういう風に起きるようになる。
それは何故かっつったら、それを打ち消すだけの、自分の、技術があれば、 そこは絶対持ち上がってこないだろう。じゃそういう練習方法をさしたことあるのか、本人はしたことあるのか。 それを克服したことはあるのか

日本の名工って言われてる人はいっぱいいます、いろんな経験積んできてるでしょう、これは本当にすごい世界です、 彼らは彼らなりにそういうものを培って、努力をして、名を成したわけでしょう。
成功例だけじゃありません、必ず失敗例あるはずです。
その失敗例を、どうやって自分で活かしていくか。そこで答えは出てくるんだろうと。

試行錯誤しながらね、一つのものごとを真正面から見直して上からも下からも斜めからも。 いろんなことを分析して、出していったけどそれでもダメだった。壁にぶち当たる、 じゃあもう一回、原点に立って見直して、何が間違ってたのか、どの部分で間違えたのか、 でそこでやり直して初めて、新しい結果が出てくるんでしょう。

で、そうやってコツコツと築き上げていく。で、こういこうことを、イップス病になった人が、 経験してやったことあるのか。いろんなことを、してきたのか。決してそうじゃないだろう。必ず、一番弱いときは逃げるんです。
俺は、イップス病で、しょうがないから。

しょうがない、じゃ先に進まないんですよ。

ドラゴンズにもそういう選手はいます。イップス病いっぱい抱えてます。
で、親身になって一番いい解決策はないか、っていう風に、お互いに、知恵を出しながら、 こういう練習方法はどうだこういうのはどうだっていう風にやって何とか解決していく方にしてます。

でもこれ、全員にあてはまりません。
その方法が当てはまるってかっていうと、別の方法じゃなきゃいけないってのもあります。 で、そういうこと、考えてるときに、それだけの時間かかるわけです。

だから、私は心技体っていわれれば、体の部分ってのが、プロ野球選手には一番大事なんだろうと。
生活していく上でも一番大事なのは、でどれが、一番目二番目三番目っていう風に番号はつけられません。
でも私の中では、心技体、一番下にある、要するに自分の足元から、きちんと鍛えなさいという、 私はそういう風に理解しています。

皆さんは、どうか分りませんけども、何かにぶち当たったら、いろんな角度からいろんな事を、考えて、自分なりの答えを出してください。

答えはありません。
答えがあったら簡単だと思います。
答えがないものを探し出していく、難しいですけど非常に面白いこと思います。
私、これからも、死ぬまで、そういう事を考えながら、この世界で頑張ろうと思います。

   
  せっかく上手にキャッチしたボールをとんでもない方向に投げる選手をみると、 「なんでしっかり投げないんだ!」って思わず言いたくなるけど、 誰だって暴投しようと思って暴投するわけじゃない。
あれは病気なんだね。
 
   
ドアラちゃん
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