25.コーチは見守るのが仕事
そうすると、その五年間十二球団ね、
ずぅーーっとキャンプ見て回りました。それで一つだけ気が付いたことがあるんです。
あ、プロ野球ってこんなに
練習しない
んだ。
十二球団回って、うわあ、やっぱりいい練習してるな、
って思ったのは、王さんのダイエーホークス、ソフトバンクね。ここだけ。
あとは練習しない。
で選手が練習したくなると思っても、
監督・コーチがいないんです。
で監督帰ればいいんですよ。いたって何の用も無いんですから。
でもその、コーチまでいなくなっちゃう。
一人でね、黙々と打ったり、練習してるんです。
で、おそらく選手ってのは、みんなが出来上がった選手じゃありませんから、
俺このやり方でいいのかな、半信半疑でやってるとこあると思います。
でもこれが一人でも二人でも見ていたら、今ここどうなってますっていう、
その“問いかけ”が出来る。でそれに答えてくれる人がいる。で、これは励みになるんです。
だから今のコーチ連中を集めるときに、
約束事はいっぱいあったんですけども、
これだけは守ってくれよって言ったのが「絶対選手には手をあげるな」と。
あげたらお前のユニフォーム脱がすからね。これは、最初の条件。
二つ目は、
選手が一人でもグラウンドで練習してたら、
お前ら、いなくなるまで必ずグラウンドにいろ
と。
この二つだけ。徹底させました。
そのー、大体八時半から、キャンプは七時〜七時半くらいまで練習やりますけれども、
これはね、ちょっと異様な光景ですよ。
一人二人の選手がね、必死にグラウンドでバッティングしてる。
そこに十何人のコーチが後ろにバーーーッ(会場、笑い)
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「よーし、あと五本!」
「・・・といえば、龍角散」
「川相さん!帰りますよ!」
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