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9月19日(火) 今日のフミヒロ

9/19
日 本 1 0 0 0 2 4 0 0 0 7
オーストラリア 0 0 3 0 0 0 0 0 0 3

予選リーグ第3試合 対オーストラリア

 「ジャパンにいたお前なら知ってるはずだ、ヘイ・ディンゴ! あの背番号2の凄いキャッチャーは何ていうんだい?」

 「ヤツの名はフミ。向こうでは “ワールド・フミヒロ” と呼ばれている、中日ドラゴンズの控えキャッチャーさ」

 「何だって!?あのキャッチャーが控え捕手だってのかい? おいおい、冗談は日本での打撃成績だけにしてくれよ、ディンゴ。 あのリードに打撃に冴え渡るスーパーキャッチャーが控え捕手だって!? ソー・クレイジー!一体どうなってるのか、頭がスパゲッティだぜ!」

 「ジャパンをナメるな。 何しろこのオレでさえポジションを獲れなかったところだぜ。 それどころかあの国には、 “ナカムラサン”というもっとグレートなキャッチャーだっているんだ」

 「ブルブルッ!おそろしい国だな、ジャパンって国は!」


☆  ☆  ☆  ☆

 1回裏、3番DHのディンゴの第1打席をいきなり三振に切ったことで
フミvsディンゴの宿命の対決は完全決着。
男の意地と意地のぶつかり合いに、勝利したのはフミヒロの方だった。(*1)

    (*1)…第2打席に3ラン、第4打席に2ベースを打たれてしまっているものの、 フミに取ってはこのあとディンゴと一緒にメシを食いにいく際、 「何か話題作っとかないとな」といういわば「話題作り」、 ディンゴにとっては日本で学んだ(山崎直伝の)ダメ弾のお披露目みたいなものであり、 真剣勝負の決着は第1打席についていたのだ。
☆  ☆  ☆  ☆

 そして1−3とリードされた5回、反撃の口火を切ったのはやはり「世界のフミヒロ」だった。 先頭打者として鮮やかなライト前ヒットで塁に出たフミは、 次打者・滝原のときにすかさず二盗を決め
世界の俊足
を全世界に発信、さらに、滝原の高く上がった微妙な飛球に1/4ウェイでタッチアップの準備、 打球がライトの頭を抜けるを見るや、稲妻のように三塁を蹴り、疾風のようにホームベースを駆け抜けたのだった。
 世界中の目がフミヒロの足に釘付けになる。オーストラリア側スタンドは一瞬静寂に包まれ、 ため息とともに誰かが呟いた。
 「オー、…ジャパニーズ・忍者!」

 ニン!ニン!

☆  ☆  ☆  ☆

 その後田口のタイムリーで同点とし3−3で迎えた6回、 1死一三塁の一打勝ち越しの場面で打席に立ったのは、 もはや世界中でその名は知らない者はいない。そう。
「恐怖の9番」
鈴木フミヒロ。

 前日のオランダ戦でも同点の場面から決勝タイムリーを放ったフミだけに、 会場のボルテージは最高潮に高まる。
 チラリと三塁ベンチを見やるフミ。

「よし、重盗のサインは出ていない!」

 カッキーーーーン!!!

 快音をあげた打球は日本のファンを夢を乗せレフト前へ。オランダ戦に続き、
2試合連続の勝利打点
となる勝ち越しタイムリーを決め、いまやフミは「日本の主軸」、いや「世界の主軸」 として、またもやその名を世界中に轟かせたのだった。

☆  ☆  ☆  ☆


 「ジャパンにいたお前なら知ってるはずだ、ヘイ・ディンゴ! あの背番号2の凄いキャッチャーは何ていうんだい?」

 「ヤツの名はフミ。向こうでは “ワールド・フミヒロ”と呼ばれている、中日ドラゴンズの控えキャッチャーさ」


9/19(火) 9番キャッチャー 右飛 右安 左安 遊ゴ ---- ---- .308
9/18(月) 9番キャッチャー 中安 遊ゴ 中安 右飛 四球 ---- .222
9/17(日) 9番キャッチャー 三ゴ 三振 右飛 ---- ニ飛 三ゴ .000
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