前日に台風の目とも言われていたインタコンチ杯の優勝チーム・オーストラリアを逆転で下したオランダが今日の対戦相手。
だがしかし、そのオランダも
世界のフミヒロ
の前には敵ではない。
1−1の同点、2回裏ノーアウトフルベースのチャンスで、迎えたバッターは9番・世界のフミヒロ。
「普段は10回に1回くらいしか打たないが、ここぞという場面では5回に1回くらい打つ」
という昨日の本テキストの声が大田垣監督の耳に届いたのだろう、さすがにここはフミに
出来もしないスクイズ
を要求するなどの無茶はせず、大田垣監督は強攻を指示。
その期待に応えフミは
世界の勝ち越しタイムリー
をレフト前に放ち、ランナーは2人生還、これが決勝のタイムリーとなったのだった。
「2000年シドニーオリンピック、日本チーム初勝利の勝利打点を挙げた日本のスマート・スラッガー」
として、“鈴木フミヒロ”の名がオリンピックの歴史に刻まれた、記念すべき瞬間だった。
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バットで大活躍のフミはリードでもジャパンの司令塔としてその頭脳をフル回転。
オランダ打線をわずか2点に抑える好リードで、日本を勝利に導く。
前日のオーストラリア・オランダ戦でオーストラリアがオランダ打線に6点も奪われた事を考えれば、
ディンゴとの勝負付けは既に済んだ
と言っても過言ではなく、
「アジア・オセアニアのナンバー1捕手」としてその地位を不動のものとしたといえよう。
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フミの八面六臂の大活躍で一気に上昇ムードの日本代表チーム。
明日はいよいよ
ナゴヤの放送禁止メジャーリーガー・ディンゴ
との直接対決。日本の野球ファンの夢と、そして中日ファンの怨念を背負い、
「世界のフミヒロ」がオーストラリアの野犬退治に乗り出す。
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