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ああ、ああ、私のドラゴンズ

聖地巡礼(7)

98.8.4〜8.6
シャオ会ナゴヤ遠征リポート


1.陳列された"2ヶ"

 Naoさんと連れだってナゴヤドーム内のパノラマウォークへ行く。 生きとし生ける者全て来場義務のここは、 各選手のパネル、中日優勝の歴史、個人タイトルのトロフィーなどが飾られているメモリアルスペースだ。  ホールに設置された大きなボードに、 野口・川上・門倉・ヤマ・宣と、 我らがドラゴンズが誇る12球団一の投手陣の 勝利試合サインボール が並ぶ。なんとも壮観だ。
 「…おや、これは何だろう」

 広く大きなボードの片隅に、チョコンとボールが2個ぽっち置かれている。 日付は4月14日、5月16日。 このわずか2球。 ズラリと並びそれぞれのボードを埋め尽くす記念ボールの中、
 ここだけ2ヶ。

 「今中…?」

 広いスペースの隅に肩身狭そうに置かれたそのボールはいかにも所在無さげで、 帰ることのない主人をひたすた待つ渋谷のハチ公のようでもあり、 Naoさんと私はただ胸を詰まらせるばかりだった。(*1)

 「2ヶなんて…飾らなくてもいいのに…」
 「何だかイヤガラセみたいですね…」
 「さらし者…?」

 そのときだった。
 パノラマウォークの入口から、 なごやかに談笑しながら、BULLYさんと 熱狂的今中ファンのelfさん が、いつの間に買ったのか今中Tシャツ を着て入って来るのが見えた。
 ああ、神よ!

 elfさんは、選手のパネルやロッカールームのレプリカを見て、 楽しそうに笑っている。
 じわじわと「悲しみの今中ボード」に近づくelfさん。
 その笑顔が、痛い。(*2)


もっと頑張れ!今中慎二!

もっと頑張れ!

「応!」



2.会長の憂鬱

 試合開始。
 スタメンが発表された瞬間、 会長は修羅の形相でキッと電光掲示板を睨み、 一塁側ベンチに座るセンイチを炎の目つきで睨んだ、ような気がした。
 左手首に巻かれた22番のリストバンドが小刻みに震えている。 昨日3タコで途中交代した山崎は さっくりスタメン落ちし、 代わりにファースト筒井が入っていた。
 昨日までの成績を見れば順当な処置だが、 会長の前ではとてもそんなコトは言えない。

 試合中盤、不意に会長の目が爛と輝きだした。
 ツーアウトランナー無しでバッターは8番中村タケシ。 そして、ネクストバッターズサークルには、ブンブンと派手に素振りをする 我らが山崎武司 の姿がッ!!

  「タケシ、死んでも出ろーッ!」

 会長の叫びがナゴヤドームにこだました。 次の瞬間ッ!

  タケシ、三振。


タケシ三振

「テヘ☆」


 会長の夏が終わった。


3.一樹、劇的サヨナラ弾!

 試合は延長戦、我らが井上一樹 がバッコーンとライトスタンドへサヨナラホームランを叩き込み終了。

○中2x−1ヤ●

 見事にこのナゴヤ遠征を2勝0敗 と圧倒的勝利で終えた「シャオ会」。大声でバンザイ三唱をしながら、 それぞれが抱く思いは口に出さずとも一つだ。
  「よかったァ〜、疫病神オレじゃなかった〜」 (*3)




 サヨナラ勝利の余韻を堪能しながら栄のホテルに戻り、 スポーツニュースを気の済むまではしごした後、居酒屋へ。
 もちろん話題の中心は劇的なサヨナラホームランを放った井上一樹ではなく、 今日も山崎武司だ。

 「いや〜、っていうか今日山崎、見ませんでしたな」
 「大型モニターでメガホンばんばん叩いて チャージ!とか叫んでなかった?」
 「それドアラっす」
 「チアドラに混じって踊っていたような」
 「どうなんですか会長!」

 会長は グウスカ寝ていた。



(*1)胸を詰まらせるばかりだった…ホントはNaoさんと二人でゲラゲラ笑ってました。
(*2)笑顔が、痛い…elfさんとBULLYさんもゲラゲラ笑ってました。
(*3)「疫病神オレじゃなかった」…大きな声では言えませんが、 シャオ会は今年2度の観戦オフを実行、2度とも完封負けでした。エッヘン。

>>> TO BE CONTINUED!!


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