21.トライアウトの弊害
野球選手毎年入ってきます。百人入るって事は百人ユニフォーム脱ぎます。
私二〇〇三年のドラフトから、去年のドラフトまで、
五年間で約六十人くらいの選手のユニフォーム、脱がしてる。
その中にはレギュラーもいます。どうあっても必要ってされる人間もいます。
これは私だけじゃなくて、みんなそうやって、チームの入れ替えって事はしてきてるでしょう。
でも「こいつは嫌いだから」ってユニフォーム脱がしたやつは一人もいません。
で、必ずユニフォーム脱ぐときに、よその球団に打診はします。
こういう選手がユニフォーム脱ぐんだけども、
そっちで必要としてるんだったら、無償のトレードでそちらに、
っていう風にするんですけれども、十一球団全部断ってきます。
これは何故かっていうと、今トライアウトってのが出来ました。
ユニフォーム脱いだ人がね、十一月、二回、テストを受けられる。
これがね、逆にいうと選手の首を締めてしまった。
たとえば今一億もらってる選手二億貰ってる選手、ユニフォームを脱ぎました。
二千万でも三千万でもって言いますけどね。
いや、それでもいりませんって。返ってくるのは必ず、十一月のトライアウトを見て、
それで決めます。そりゃそうですよね。四百六十万から選手にトレードです。
別にその選手に二億の選手にね、ユニフォーム脱いだからって一億払う必要は無いんです。
四百六十万からでいいんですから。
別にそういうあれで中村紀洋を獲ったわけじゃないんですけどね。
あれは無茶です。
はっきり言って。
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「うちの選手なんですが、そっちでどうですか」
「間に合ってます」

「そちらの球場ならまだまだ大きいの打てますよ」
「今はテスト禁止だからねえ」

「高橋光信というんですが・・・」
「えっ、あの光信選手ですか!?是非うちで!」
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「へいらっしゃい!」
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