10.真剣勝負は生活のため
私は十八〜二十歳まで約二年間、野球やってませんから。無職だったんです。
その間何をやってたか、まあ日夜明けボウリングやってました。
これは収入がないわけですから。自分の生活をボウリングで稼がなきゃいけない。
これ今だったら大変なことなんでしょうけども。
田舎の、一人の少年としてはね、誰もそれを咎める人がいなかった。
だから
勝負根性は、その当時からついた
んだろうと思います。
収入がある人は別に負けても幾ら幾ら払えばいいだろう、
なりますけれども、一ピンでも負けたらお金を払わなきゃいけない。
そりゃ七番十番っていうね、スプリットがある。
そりゃ、だったら取れれば千回に一回、一万回に一回取れればいいっていう、
でもそれを狙いに行ってゼロで終わるよりは、
一ピン取って、負けを少なくするんじゃなくて、
この一ピンで何とか勝なたなきゃいけない
っていう、
そういう方法を考えてるんです。
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『さあ、落合君は7番10番のスプリット!これは難しいぞ!』

(ここで2本倒せば格好いいんだべな…)

(だども、オラの目的はあくまで勝つ事。チヤホヤされる事でねえ)

(この一投で確実に勝つ方法、それを考えるだ!)

『落合君投げた!…あーーーっ!』
『これは不運!相手選手試合続行不能のため、落合君の勝利ー!』

「手がスッポ抜けただ。ごめんなオジさん」
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