| | |
|
元締め。
またアテネから国際電話です。
|
|
|
どうも! 匿名希望のテレフォンネーム“巨乳大好き”です!
聞きましたよササキさんの話!
自分で「抑えをやらせてください」って言ってきたのに、
自分で言った抑えの仕事を途中で放棄
して、2軍行きを志願したそうですね! とんでもないですよ!
あとの人のことを考えろ!
|
|
|
…お前、ヒマなんだなあ岩瀬。
まあ大した場面で使ってもらってる訳でもなさそうだし、
中畑ジャパンじゃ岩瀬は使いこなせないって事がはっきりしたよ。
早く帰って来い。
|
|
|
ボクはその岩瀬という人ではないんですが、本当にヒマですよ!
1点差ゲームのときは先発を引っ張りに引っ張るから、
中継ぎ・抑えなんか必要ないじゃん!って感じ。
「先発は逆転されるまで投げさせる」って方針みたいだから、
本当、僕らは敗戦処理か大量点差でのイニング消化って感じで。
だったら別に遠藤さんや小山でいいじゃん、って思いました!
ナイショです!
|
|
|
まあ、どんなにいい宝を持っていても、それを使う人によって
ダイヤモンドは宝石にも石コロにもなる、っていい教訓だったな。
収穫のないのもまた収穫。
|
|
|
それはそうと元締め!
ボクは帰国してからもちろん優勝とセーブ王を獲るつもりですが、
ライバルのササキさんが行方不明になってしまって、
その間に「留守中にセーブ王をかすめとる」なんて真似はしたくありません!!
だから、ササキさんが現場に復帰するよう、ちょっと動いて欲しいんですよ!
ボクは、堂々と胸を張ってセーブ王の座を獲りたい!!
|
|
|
うん、いい心意気だぞ、岩瀬。
「力と力の勝負」とは、本当はこういう事を言うんだぞ。
今日のベイ戦は、ササキに刺激になるような仕置きをしよう。
自分がピンチになると湘南へ逃げて「力と力の勝負」をしようとしない
ササキにメッセージを送ろうじゃないか。
「逃げてばかりいないで、目の前に来て戦え」と。
|
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
名古屋 |
3 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
|
4 |
横浜 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
|
0 |
この日、先発・ドミンゴの好調で名古屋一家は8回表まで4−0とリード。
残り2イニングで、このまま試合は終わってしまうかと思われた。
ところがっ!!
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
名古屋 |
3 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
|
4 |
横浜 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
|
4 |
8回裏、ドミンゴの謎の乱調により、横浜は4点を奪い、あっという間に同点に追いついてしまったのだ!!
|
|
フフフ…。さて、同点ですよ、山下親分。
9回表、ピッチャーは誰を出しますか?
|
|
|
ぐっ…。
こんなとき、ササキさえいれば…。
ササキがいるなら門倉だが、門倉は今は臨時クローザーだ。出せない…。
ササキがいるなら山田博で中を継ぎたいが、延長を考えると出来ない…。
ササキが来たから加藤は先発に転向させてしまった…。
ササキが来たからギャラードは本国に帰ってしまった…。
今はササキはいないのに…。
なんでこんなことに…。
|
次の投手コールの瞬間、試合は決した。
|
|
|
ピッチャー・川村!
|
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
R |
名古屋 |
3 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1 |
5 |
横浜 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
0 |
4 |
|
|
これでササキが、「敗因は自分の職場放棄のせいだ」
と思ってくれれば、な。
「投げる・投げない」は別にして、「いる・いない」で継投は随分変わるんだよ。
一日も早く戻って来い! ササキ!!
|
|
|
…元締め。本当はササキのことを心配してたんですね。
そんなにササキの復帰を願っているだなんて…。
私は感激しました!
|
|
|
…うん。そう思ってくれてもいいけど。
(門倉よりササキの方が球遅いし、フォーク落ちないし、やりやすいんだよなァ)
|
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
その頃、ここにもササキの復活を心待ちにする仕置き人が一人。
|
|
|
ササキさん!早く復帰してください!
“守護神粉砕Tシャツ”
はもう100万枚発注してるんですよ!!
ボクも、「江川さんを引退に追い込んだ」、それだけで
現役を長く続けた小早川さん(※1)にあやかりたい!!
|
(※1)小早川毅彦…カープス凋落時代のパッとしない4番。チャンスに弱い、
帳尻合わせで数字はそれなりに残す、本当に大したことのない二流のバッターだったが、
読売・江川が引退した際に、「小早川さんにホームランを打たれ、引退を決意しました」
と言い放った一言で、一躍全国のスター選手に。
よくよく聞けば「小早川さん(ごとき)に」という意味なのである意味で侮辱的な発言なのだが、
世間的には小早川は「怪物・江川を引退させるほどすごいバッター」として扱われ、
カープを戦力外になったあともヤクルトに拾われるなど、
38歳まで現役生活を全うした。
|