遠くでトーク
[11月18日]
昨日は久々にセンちゃんと会えて嬉しかったよ。
ボクとセンちゃんと田淵幸一は無二の親友で、
「我ら三人、生まれ落ちた場所は別々でも死ぬときは共に!」
と誓い合った仲だからね。
誰よりもお互いを知り尽くした親友。心の友と書いて“心”友だ。
いついかなるときでもお互いを信じ合い、この関係は生涯崩れることはないだろう。
『三国志』でいうと劉備・関羽・張飛、
昔流行った『何とかの星』って野球マンガでいえば飛雄馬・花形・左門だよ。
え?もちろん飛雄馬はピッチャーのセンちゃん、体躯のいい田淵が左門、
ボクはさしずめ、プリンス・花形満ってとこかな。アハハハ。
昨日はホテルに一泊した。
朝、ロビーに出ると、入り口付近で真っ赤なスーツを着た男がキョロキョロ周りを見渡している。
何処かで見たことあるなあ。
…あれ、あれは中日の立浪君じゃないか?
「あ、いた!」
立浪君はボクを見つけると、すたすたとボクの方へ向かってきた。
「あ、山本浩二さんじゃないですか!偶然ですね!」
「ぐ、偶然ってキミ、ボクを探してたんじゃないの?」
「アハハハ、そんな訳あるわけないじゃないですか。
今週は日本ハムのファン感謝デーなんで、友人の片岡君に招待されてこっちに来てるんですよ。
しかし、山本さんに会えるなんて偶然だなあ」
さっきの「あ、いた!」ってのは一体…。
立浪君が、赤いバッグから一本のビデオテープを取り出した。
「そういえば山本さん、ホテルは退屈じゃないですか?
ボク、偶然ですがビデオ持ってるんで、よかったら部屋で見てください。
退屈しのぎになりますよ!」
「あ、う、うん。ありがとう」
立浪君はボクにビデオテープを渡すと、そそくさとホテルを出て行った。
…不思議なやつだなあ。
しかし、帰りの高速バスの時間まで暇をもてあましていたのは事実。
お言葉に甘え、ホテルの部屋でもらったビデオを観ることにしたんだよ。
えーと…。
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