33番でさんざん
[11月16日]
いやあ、まいったまいった。
昨日のユニフォームの話を球団の人にしたら、
「何を言ってるんですか山本監督!
それはサンデーユニフォームといって、
3年前によその球団がやって、
それを着るとあまりに弱いものだから1年で廃止になったんですよ!」
って怒られちゃったよ。
せっかくセンちゃんがいいアイディアを出してくれたのに、
たまたま同じユニフォームを使ってた球団があったなんて、
こんな偶然もあるもんだね。
そんなわけで新ユニの話はお流れになったわけだが、
それはそれで、
ショップでユニフォームの売り上げはどのくらいあるのか気になって、
広島そごうのカープグッズショップに電話して聞いてみたんだ。
「もしもし、カープの山本ですが。そちらでユニフォームの売り上げってのはどのくらいあるものなのかな」
「結構売れてますよ。あ、でも、33番が大量に売れ残って困ってるんですよ」
なんと。それは困ったことだ。
話を聞くと、33番というのはロペスではなく、去年の江藤の名前が入ったユニフォームらしい。
去年までは人気選手だったので大量に生産したんだが、この1年間で売り上げはたった2着というじゃないか。
うーん、どうしたものか…。
そこで、ふと名案を思いついたんだ。
在庫一掃のために、選手に買わせたらどうだろう、ってね。
選手は練習でもユニフォームを着ているわけだが、
練習用なら別に自分の背番号である必要はない。
試合では自分のユニ、練習では売れ残りの33番をつける。
立派なリサイクルになるじゃないか。我ながらナイス・アイディアだね。
いつまでもセンちゃんに頼ってばかりの山本浩二じゃありませんぞ。
そういうわけで、朝一番に33番ユニフォームをキャンプ地の日南に届けさせたんだ。
今日はボクは明日のドラフト会議のために東京入りしてるからね。
この原稿も、東京のホテルで書いているというわけだ。
今ごろ、みんな張り切って練習してることだろう。
おや、電話だ。
「もしもし、山本ですが。…おお、北別府コーチか、どうした?
…なにっ、キャンプでケガ人が続出!?どうしたんだ!?
…33番のユニフォームを着た選手が打席に立つと、
ピッチャーが反射的に手首・頭部目掛けてブラッシュボールを投げる?
…歩いてるだけで背中にモノをぶつけられる!?…ええっ、見学に来たファンからもか!」