勝手に ジャイカー と名付けられてしまった会長のオレンジ色の車に乗り、 我々は一路ナゴヤを目指した。途中、 検閲所を強行突破し係員に追いかけられるハプニング(*1) もあったりはしたが、 どうにかナゴヤ市内に入ったようだ。

　「んじゃ、ここで降りましょうか」
　elfさんが高速をおりよう(*2)と言い出した。 名古屋市内を詳しく知る者のいないこのメンバー で市内を走るのはいささか冒険とも思われたが、
　「ナビあるし、大丈夫っしょ〜」
　という会長の力強い言葉により、高速を降りて下から行くことに決定。 後ろの車（東京組）にそれを伝えるため、elfさんが電話をかける。様子がおかしい。
　「…どうしたんすか？elfさん」
　「Naoさんの携帯、 留守電になってるんスけど」

　何処へ出かけた。

　仕方がないので、後部座席から後ろの車に向かい、ジェスチャーで「電話くれ」 とメッセージを伝えようとしたが、 運転席のossanさん、助手席のBULLYさんは笑いながら見ているだけだった。 ダメだ。 ナゴヤに初めて来て浮かれている人としか思われてない。

　その後、 携帯をデフォルトで留守電にする怪しい習慣が身についてるNaoさんとようやく電話がつながり、 身振り手振りで意思の疎通をはかる文明に縁のない人たち からようやく進化を遂げた我々は、ナゴヤの街中に突入。 車線を頻繁にかえては後ろの車を混乱させる会長の運転に何度か東京組を見失いかけたものの、 どうにか二台揃ってホテルに到着(*3)した。

　ホテルに荷物を置いて栄駅前の中日ビルへ。
　平日の真っ昼間にドラキャップ＆メガホンを持ち街中を闊歩するといった どう見てもカタギには見えない集団 はドラゴンズ・グッズショップに移動。 店のお姉さんに 一発でオノボリさんと看破され、 「応援頑張ってね〜」と、買い物のオマケにドラゴンズボールペンをもらったりした。
　ナゴヤの人はいい人だ。

　「せっかくナゴヤ来たんだから、 どえりゃー美味い味噌カツ食いたいがね」
　とウソ名古屋弁で 喋ったり喋らなかったりしつつ、BULLYさんの
　「俺、美味しい店、知ってますよ！」
　という甘言に乗り、何の疑いも持たずゾロゾロとメンバーはBULLYさんに着いて行く。

　「んー、遠いっすね。結構歩くんですか？」
　「もうちょっと。すぐそこだよ」

　照り付ける陽射しの中、 駅三つ分くらい歩いて たどりついたところは、 電器屋だった。
　「ちょっとここで待ってて☆」
　と言い残し、BULLYさんとNaoさんが何処かへ行ってしまった。

　「BULLYさん、何処行ったの？」
　「さあ？」
　「…迷ったな」