| だが、すべてのプロ野球ファンは堕天使になる資質を持っているのだ。俺も、そしてお前もな。 |
| 照れるよ。 |
| 褒めてないよ。 |
| 照れて損したよ。 |
| たとえば癌という病気は、全ての人が潜在的に持っている。それが発症して死ぬか、発症する前にそれ以外の原因で死ぬか、それだけの違いに過ぎない。 |
| ああ、『ブラックジャックによろしく』にそんなことが書いてたな。 |
| や。格好いいことを言ったつもりが、本の受け売りだと早くもバレてしまったよ。 |
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しかもマンガのな。全く貴様の知識はマンガの受け売りだらけだよ。 |
| 受け売りだらけの人生さ。とにかく、ファンというのは突き詰めればやがて堕天使になる。そういうものだ、ということだ。 |
| 悲しい話だな。野球が楽しいから野球ファンになったはずなのに、悪口ばかりでは楽しくあるまいに。 |
| だから俺たちは、堕天使にならないように、ときどき自分がいまどこにいるのか立ち位置を確認し、必要とあれば元の場所に戻らなくていけない。純粋にチームを応援していた、あの頃の自分に。 |
| はじめての頃の気持ちを忘れないようにか。 |
| はじめての頃の気持ちを忘れないようにだ。だから俺はこのサイトに『はじめてのドラゴンズ』と名づけ、自分が調子に乗らないよう戒め、ドラゴンズの良さ・素晴らしさをあらためて見直し、それを世に広めて行こうというわけなのさ。 |
| そうか、それは殊勝な心構えだが、しかし。 |
| なんだ? |
| 一度カエルになったものが、オタマジャクシに戻れるのか? |
| …頑張れば。 |
| そうか。では頑張れ。 |