はじめに(2/3)
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プロ野球ファンは最初、『初心者』の形態をしている。 青コアラ

金コアラ うむ。最初からベテランの人などいないからな。

やがて野球に詳しくなると『解説者』へと成長、さらには『評論家』になる。 青コアラ

金コアラ 図に描いてくれ。


初心者

解説者

評論家

創造主

堕天使


図に描いた。
青コアラ

金コアラ 説明しろ。まず『初心者』→『解説者』へ変化する、というのはどういうことだ?

試合を見ていて、ああ、このプレーにはこういう意図があるんだ、監督はこういう考えで采配をしたんだな、と分かるようになれば立派な解説者だと言える。 青コアラ

金コアラ いわゆるシロウト解説者というやつだな。野球場のカップルの男の方は大抵そうだ。とは言え、本職の解説者もそのへんの一般人と全く変わらないレベルだからな。

フジテレビの悪口を言うな。 青コアラ

金コアラ フジの解説陣のことではないよ。フジの解説は一般人より下だからな。

これは失礼した。俺はてっきり貴様がフジテレビ解説陣の悪口を言ってるのかと思ったよ。 青コアラ

金コアラ むしろフジの解説陣なんかと一緒にされた一般人に失礼だ。一般人に謝れ。

しもじもの者には大変失礼した。 青コアラ

金コアラ よし。続けろ。

『解説者』となったファンがさらに進化すると、「私ならこうする。監督の采配は間違ってるのではないか」と、自前の野球論を展開するようになる。こうなればいっぱしの『評論家』だ。 青コアラ

金コアラ 今は一億総評論家の時代だからな。で、『創造主』というのは何だ?」

評論家がエスカレートしていくと、そのうち『ぼくのかんがえたドラゴンズ』というありもしない架空のチームを脳内で作り出し、「どうして僕の思う通りに采配しないのだ」「どうして僕の思う通りにプレーしないのだ」と、空想上のチームで完璧理想チームを創り上げ、そこのGMに収まってしまうのだ。 青コアラ

金コアラ 『ぼくのかんがえたドラゴンズ』?

そこでは自分自身が神であり、選手の使い方、監督采配、人事、選手のプレー内容にいたるまで、すべて神(=自分)の思し召し通りでなければいけないという不文律が存在する。自分の意思と反するものは、すべて悪とされる。 青コアラ

金コアラ まさに創造主だな。妄想の中で、『ぼくのかんがえたドラゴンズ』という架空のチームを作り出したわけか。

現実を捨て、な。
そして最終ステップは『堕天使』。ここまでくると、もう中日ファンだった過去の記憶は忘れ、口を開けばドラゴンズの悪口を言い、ネットに繋いではドラゴンズの悪口ばかり書いてる。しまいには、同志であるはずのドラゴンズファンにまで攻撃を仕掛けるのだ。
青コアラ

金コアラ なんと、中日ファンなのに中日ファンを攻撃するのか。まさに荒涼の堕天使。だったら中日ファンなんて辞めちゃってデカダン酔いしれ暮らしたらどうだ?

そうはいかないのが中日ファンさ。 青コアラ

金コアラ なぜだ? プロ野球などしょせん娯楽。面白いと思えば見ればいいし、つまらないと思えばファンをやめればいいだけじゃないのか。

お前は毎日のメシを、好きだから嫌いだからという理由で食べてるのか? 青コアラ

金コアラ まさか。メシを食わないと人は生きていけないだろーが。

それと同じさ。『堕天使』まで行きついた人間は、もはやドラゴンズ無しでは生きていけない体になっているのさ。 青コアラ

金コアラ 無くては決して生きていけぬメシが食える幸せがありながら、 「この豚バラ煮込みは失敗だ。食べられないよ」 と出された料理にケチばかりつけてる山岡士郎のようなものか。

山岡士郎のようなものだよ。 青コアラ

(つづく)

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