
2010/06/5(土) 中川の夢、ドミニカの夢
▼中川、プロ1号
2003年のドラフト1位・中川裕貴がプロ7年目で初ホームランを放った。
左中間スタンドへ飛んでいく白球。このホームランには、
はるか海の向こう、ドミニカのチビッコたちの夢が詰まっている。
▼中川とドミニカの交流
ドラゴンズは毎年、オフになるとドミニカのウインターリー
グに若手選手を派遣し、
武者修行をさせている。
また、ドミニカからブランコ、セサル、バルデスを獲得するなど
中日とドミニカとの関係は深い。
そんな縁もあり、中川は昨年、
ドミニカの孤児施設のチビッコたちに野球道具をプレゼントした。
たくさんの野球道具は、ドミニカの少年たちを喜ばせた。
プレゼントを贈る際、中川はこうメッセージを伝えた。
「これは恵まれない人への寄付じゃない。
ドミニカの子供たちがこの野球道具を使って、楽しく野球をやってくれることが僕自身の夢なんだ。
僕の夢をかなえるため、君たちにプレゼントを受け取って欲しい」
少年たちは大喜びでプレゼントを受け取り、大好きな野球を始めた。
▼650万円の男
中川の年俸はチーム最低の650万円である。
下手をすると、そのへんのサラリーマンよりも年収は低い。
そのへんの年収600万円台のサラリーマンが、
会ったこともないドミニカの子供たちに野球道具をプレゼントできるだろうか?
中川とは、そういう男なのだ。
▼ドミニカの夢、中川の夢
2004年の入団以来、故障やハイレベルなポジション争いの中でなかなか一軍に上がれず、
本当なら自分のことで精一杯のはずだ。
明日から無収入になってもおかしくない立場の選手である。
それでも、中川はドミニカの子供たちにグローブを贈った。
ドミニカの子供たちが夢をかなえることが、自分の夢なのだと言って。
中川の夢がドミニカの子供たちが夢をかなえることであるように、
ドミニカの子供たちの夢もまた、中川が日本のプロ野球で活躍することだ。
日本のナカガワという会ったこともない選手を、
ドミニカの子供たちは心から応援していることだろう。
中川のホームランは、たくさんの子供たちの夢を乗せて、スタンドに吸い込まれて行く。
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