
2010/03/28(日) セサル自演乙
▼珍プレーの系譜
プロ野球という娯楽において笑いの要素は大切だ。
珍プレー大賞の創設者とまで言われる宇野勝がその第一人者なのは言うまでもないが、
その後は福留が後を継ぎ、
晩年の立浪の芸術的なトンネルやバンザイも見事だったが、
井上一樹の「何もないところで転ぶ芸」もスタンドを大いに沸かせたものだった。
▼笑いを取れてこそ一流
もちろんそれだけではただのヘタクソであるのだが、芸達者と呼ばれる選手は、
一方では危うさを見せながら一方では試合を決める一打を放つ。
そのアンバランスさが芸を一層引き立たせるのである。
▼努力なきところに笑いなし
こう書くと「ああ、森野のことか」と言われそうだが、
森野のエラーは痩せれば解決する話なので、
「いいからお前はまず痩せろ」といった感じだ。
たとえばウッズのエラーは本人は一所懸命練習してそれでも出てしまうエラーだから、
「あーあ、タイロンはしょうがないなあ」と笑いもこぼれた。
だが森野は食っちゃ寝ばかりで勝手に太ったのだから事情が違う。
森野にお金なんかあげたら食い物に走ってしまうから、
来年から年俸はパンにして欲しいくらいだ。
▼森コーチの目
その点、セサルはあの森コーチが連れてきた男だ。
森コーチはブランコを獲ったときも
「ブランコより飛ばす選手は他にもいたが、性格がよく真面目だったからブランコを選んだ」
と言ったほど人間性を重視する。
森コーチの人を見る目は確かだ。
(ときどき弾丸を持ってたり、偽装結婚で入国禁止になったりする選手もいるが)
▼セサルは宇野になれるか
入団当初の「内外野守れるオールマイティー・プレーヤー」という触れ込みも、
今思えば前振りだったのだ。
この日は自らのエラーでチームを窮地に追い込み、
自分のバットでサヨナラ勝ちを決めるという見事な自作自演。
心臓には悪いが、ドキドキハラハラするのがプロ野球の醍醐味だ。
馴れない日本の人工芝。最初の頃ならミスもする。
それに野次を飛ばすなどは無粋の極み。
セサルのエラーは、そこは笑うところだ。
そういうシャレが分からないから、女の子に
「野球ファンと喋っていてもつまらないー」
と言われるのだ。
お、俺のことかー!
「反省してまぁ〜す」
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