![]() 【あらすじ】 究極vs至高の対決のテーマを「イタリア料理」するにあたり、 雄山は、パルメザン・チーズをかけたスパゲティを出し、 「これはパルメザン・チーズと呼ばれているが、パルメザン・チーズではない」 と言い出す。 雄山が言うには、 パルメザン・チーズというのはイタリアのパルマ地方で作られたものだけがパルメザン・チーズなのであり、 そこ以外で作られたものは、製法が同じだろうが原料が同じだろうがパルメザン・チーズではない、と。 (単行本第81集/3話『イタリア対決<1>』より) 【解説】 「シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方産以外のものはシャンパンではない」 「スコッチはスコットランド産だからスコッチ」 「ケンタッキー・ストレート・バーボンはケンタッキー生まれのものだけがケンタッキー・ストレート・バーボン」 みたいなものだ。 だがしかし、製法や原料が同じでも「パルマで作ったんじゃないからパルメザンじゃない」とは、 雄山も随分と心の狭いことを言う男だ。 そんなの、 「日本で作った中華そばは、中華そばではない!」 「九州で養殖されている浅草海苔は、浅草海苔ではない!」 「山形で獲られた上海ガニは、上海ガニではない!」 というようなものだ。味が極端に違う“全くの別物”というならまだしも、 産地が違うだけで味も一緒・製法も一緒なら、呼び方も一緒でいいじゃないか、雄山。 【所感】 ブルーハーツは歌っていたよ。 ♪生まれたところや 皮膚や目の色で ♪いったい この僕の 何が分かるというのだろう 雄山が“出身地差別主義者”であることは、世界中で日本の米が一番とか、 四万十川の鮎が一番とか、ヨーロッパの小麦は放射能汚染されてるとか、 オーストラリアの食い物が世界最高だとか、 味そのものより「何処で獲れたか」を重要視していることで明らかだ。 雄山にとって大事なのは「旨いか不味いか」よりも、「何処で獲れたか」なのである。 もしこういう人間がプロ野球の監督になったら、 「大阪出身がプロ野球選手に一番適してるのだ!」 「あとは神奈川・広島・岐阜も捨てがたい」 「東北の人間は野球に向いてない」 などと言い出し、野球の能力でなく“出身地で”選手を選ぶようになるだろう。 ああ、雄山が中日の監督でなくて、よかった!(←今日の結論) |