![]() 【あらすじ】 究極対至高の第2ラウンドは「野菜勝負」。 キャベツ対決で雄山に完全敗北した山岡は、 「カブ対決では負けない!」と豪語する。 しかし、先に出された雄山の至高のカブに真っ青になる。 その気配を感じ取った雄山は、「カブ勝負は後日に延期する!」と、 山岡に作り直しのチャンスを与えた。 屈辱感にまみれる山岡は、雄山の屋敷に押しかけ「俺に情けをかけたなっ!」と怒りをぶつける。 しかし雄山は、「お前に哀れみをかけるほどワシは甘い男ではないッ!」 「私にとってお前は、せいぜいのところ路傍の石についてるクソ虫に過ぎん」 と言い放つのだった。(単行本第16集/第5話『対決!野菜編<中編>』より) 【解説】 ただ感情にまかせ怒りをぶつける山岡に対し、 雄山は「路傍の石についてるクソ虫」という詩的表現で山岡を罵倒する。 「路傍の石」ではなく、「〜についてるクソ虫」とさらに一段階すすめるところに、 雄山のセンスの良さが感じられる。 料理もまた芸術であると考える雄山には、センスのかけらもない山岡に、 「芸術家たるものは、普段の言葉遣いひとつにもセンスが無ければいけない」 と言いたかったのではあるまいか。 対して、山岡は「うぬっ…」しか言えないボキャブラリの貧困さで馬脚をあらわすのだった。 【所感】 http://mixi.jp/home.pl センスは持って生まれた才能ではなく、普段からの訓練で身につく能力だ。 とりあえず基本としては「自分の言葉で、日本語で表現すること」。 たとえば野球を見てて、応援する打者にデッドボールをぶつけられたら 「何するんだコラ上原!」「帽子とって謝れ!」「歯を折って詫びろ!」 と、ちゃんと「自分の言葉で、日本語で」抗議しよう。 相手投手の一塁牽制が鬱陶しいと思ったら、 「さっさと投げろ!」「投げたくないならマウンド降りてとっとと帰れ!武蔵中原へ!」 と、「自分の言葉で、日本語で」抗議しよう。 ダメなのは、「ぶうううううーー」「ぶううううーーー」とか、 「ピュイッ、ピュイッ」とか、言葉とは呼べない擬音を立てる人だ。 「ぶー」とか「ピュイッ」じゃ、何が言いたいのか分からない。日本語ですらない。 感情は自分の言葉で、日本語で表現しよう。 でないと、雄山にやりこまれ「うぬっ…」しか言えない山岡のように、 センスが退化してしまうぞ。 |