ドラゴンズファン初心者がオフ会なり観戦会なりに行ったとする。すると、べテラン勢のマニアックな会話に入っていけず、疎外感を感じてしまうときがあるんじゃないか、と俺は思うのさ。
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あるかもな。そういうときはどうしたいいんだい?
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ちょっと知ったかぶりをしてみることさ。
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知ったかぶり?それは逆に危険なんじゃないか?
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なあに、ドラゴンズファン、プロ野球ファンというのは、基本的に語り好きなんだよ。
こっちが何も知らなくても、話のネタさえふれば向こうが勝手にペラペラと喋ってくれるのさ。その話を聞いて、こっちも詳しくなればいいんだよ。
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よく分からないな。こっちが知らなければ会話は成立しないだろう?
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ところで話は変わるが、俺は今中慎二のファンなんだ。
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おお、今中か、なつかしいな。俺も今中は大好きだった。150キロ近い速球と90キロのスローカーブを巧みに駆使し、球速差を利用して相手打線を手玉にとり“読売キラー”と呼ばれたものだった。子供でも打てそうなゆるいカーブにきりきり舞いさせられる読売打線を見るのは実に気持ちがよかったよ。星野→高木→星野と監督が変わった万年2位のあの時代、チームが低迷していた時期もあったが、今中・山本昌の左腕両エースが俺たち中日ファンの心を潤してくれたよ。謙虚な山本昌に対し、今中ってのは生意気な若造でな。それがまた格好よかった。
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そうれ、みたことか。俺が「今中慎二のファン」と言っただけで、今中がどんな選手だったかについては貴様が詳細に説明してくれた。
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やや、これは引っかかった。なるほど、確かにプロ野球ファンは野球の話をふられると聞かれてもないことをペラペラとしゃべってしまう性癖があるようだな。
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そう、だから初心者とて何も知らなくて大丈夫。話の糸口さえあれば、ベテラン陣が勝手に知識を植えつけてくれるというわけさ。今の貴様のようにな。
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おそれいったよ。貴様のようなやつがオレオレ詐欺で見ず知らずの老人から孫の名前を聞き出すのだな。
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▼これを覚えてると通に見えそうな言葉
「現役時代の今中投手は好き。解説者としてはアレだけど」
「山田久志は投手コーチとして優秀だったよね。監督としてはアレだけど」
「官僚の海外視察か森コーチのドミニカ視察かっていうくらいで」
「監督のお守り盗んだのってブラウンなんでしょ?」
「試合では格好いいんだけどね、ケンシン」
「今日は土曜日でガンダムがあるから、監督の采配に焦りが出てる」
「中日ファンが集まる店っていうよりアンチ落合が集まる店でしょ」
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