(58) クイック王カブレラ
▼中日の救世主はクイック克服のカブレラ
逆転でCS進出を狙う4位・ずんどらごに
救世主が現れた。
7日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で先発・カブレラが7回を4安打1失点の好投。
4か月ぶりとなる今季5勝目に「長い間勝てず苦しかったが、皆さんに助けられてようやく勝てた。とってもうれしいです」
と満面の笑みを浮かべた。
ついに最大の欠点だった
クイックを克服した。
メジャー通算48勝の実績を持つ助っ人右腕は
「ランナーを出して走られても、0点に抑えれば文句はないだろ」と最初は強気だった。
実際、パワーだけで開幕から6試合で4勝。だが、それ以降は盗塁など足でかき回され、さっぱり勝てなくなった。
そこからコンドー、イマナカ両投手コーチの指導などの成果で、
クイックは1秒48から1秒25まで短縮した。
この日は5月8日以来、11試合ぶりの白星を挙げ
「自分がまったく違うピッチャーになったと思う。
頭を下げずにしっかり前を向いてやってきて良かった。コーチたちのおかげ」(カブレラ)。
かつての実績に慢心する姿もなかった。
ジョイナス監督も「(実績のある)外国人にしては
あそこまでクイック(修正)をやったのは評価できる。
ウチの先発投手の調子を見たら今後はカブレラが頑張ってくれんと苦しい」。
今ではCS進出の先発の柱となる救世主として期待している。
(TOKIOスポーツ、2013年9月8日)
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▼中日・カブレラ、森教室でクイック徹底練習
2軍降格中のずんどらご・カブレラが5日、1軍の投手練習に合流した。
課題のクイックの改善のため、
ストップウオッチを持ったモリシゲ・ヘッドから密着指導を受けた。
「遅ぇよ、もっと早く!!」
と、大きな声がマウンドに飛んだ。
練習を終えた助っ人は
「よくはなったと思う」と、
手応えを得た様子だった。
9日から登録可能で、5勝4敗の右腕は、同日の日本ハム戦(ナゴヤドーム)で登板の予定だ。
(ヨンケイスポーツ、2014年6月5日)
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先発は
クイックを克服した
カブレラ。
去年は1秒48から1秒25まで短縮したカブレラだけに、
モリシゲ・ヘッドの猛特訓を受けさらに早くなっている。
おそらく
1秒02
くらいになってるのではあるまいか。
あまりの速さに光速を超えて、
時間の壁を超えないか心配なくらいだ。
(投げる前にキャッチャーのミットに収まるとか)
☆ ☆ ☆ ☆
そのカブレラが1回、さっそく先頭打者のニシカワにヒットを打たれ、
ノーアウト一塁の
(クイックを披露する)チャンスを迎える!
そしてすぐさまニシカワが走ってくれた!
莫迦め!
カブレラなめんな!
「セェ―――フッ!!」
「ん?」
………なるほど。
「必殺技」はそんな易々と出すもんじゃあない。
カブレラのクイックは一撃で敵を意気消沈させてしまうほどの必殺技。
水戸黄門が序盤で印籠を出さないように、切り札を見せるのは早い、ということか。
まだ序盤の1回。光速を超えて時間が逆戻りしてしまうほどのカブレラのクイックだけに、
今ここで使ってしまったら
試合がプレイボール前に巻き戻されてしまう。
いくら何でもランナーひとり刺すために、歴史を変えるわけにはいかない。
ここはじっとクイックを我慢したカブレラだった。
☆ ☆ ☆ ☆
そして2回、再び
(クイックを披露する)チャンス
が巡って来た!
カブレラは1アウトから7番のキタを四球で塁に出すと、
懲りもせずにキタが盗塁を狙った!
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!
こっちのピッチャーを誰だと思っている!!
光速クイックのカブレラだぜ!!!
無謀にも二塁を狙って走るキタ!
マサ・マツイの矢のような送球!!
「セェ―――フッ!!」
「・・・・・・・」
ま、まだ出し惜しみするか、カブレラ。
確かに、1回裏にすんどらごは1点を取って同点にしているだけに、
ここで時間を巻き戻してしまったら
点を取る前に戻ってしまう可能性がある。
カブレラの「光速を超えるクイック」は、それほどまでに危険な必殺技なのだ!
☆ ☆ ☆ ☆
そして迎えた3回、この回もカブレラは1アウトからコンドーを内野安打で出塁させる。
いよいよか!
いよいよ出るのか!
カブレラの
スーパー・クイックが!
そしてコンドーが何の躊躇もなく一塁スタート!(ちょっとは躊躇しろよ!)
カブレラの光速クイックがうなりを上げてマサ・マツイのミットに収まり、
二塁へ送球される!
「アウトォ―――――――ッ!!」
能力名 『兆速投球』
(スーパー・クイック)
【効果】 光速を超えるものすごいクイック。
あまりに効果がすごいため、1試合に何球も使えない
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ついにカブレラが、クイックを決めたのだ!
コンドー、イマナカ、モリシゲの特訓は無駄ではなかった。
あのめったに人を褒めない
ジョイナスに評価されたほどのクイックが、
あの頃より磨きをあげ、『すき家』のパワーアップ・リニューアルの如く甦ったのだ!
6月9日(月)ナゴヤドーム
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【ハム】 メンドーサ、宮西、クロッタ、増井−大野
【中日】 カブレラ、岡田、浅尾、福谷、岩瀬−松井雅
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しかし、この完全無欠に見える最強スキルの唯一の欠点は、
取りあえずランナーを出さないといけない
ことにあり、そのあたりを克服するためにカブレラは試合中に2軍行きを命ぜられた。
集団的自衛権が戦争が起こることを前提としているように、
カブレラのクイックもまた、ランナーを出すことを前提としている。
大事なのはランナーを出さないことだ。
だから国会審議も進まないのだ。