(34) 満塁のマタキチ
かつてずんどらごにいた
ジュンイチ・カワハラは、
「カウントが3ボール0ストライクなら、大事な場面であるほど2球様子を見る」
という打者心理を巧みに利用して、
スリーボールにしてからポンポンとストライクふたつ取って追い込む、
という高度なスキルを持っていた。
能力名 『打者金縛』
(オート・フルカウント)
【効果】 バットを一度も振らせずツーストライクにし、打者を追い込む
|
3ボール0ストライクでは、よほどの打者でなければベンチから「待て」のサインが出る。
そしてバッターは真ん中のゆるいボールを金縛りにかかったように見逃し、
フルカウントになったところであっさり打ち取られるのだ。
面倒なカウント毎の配球を省略し、たった1球で勝負をつける。
3ボール2ストライクにするまでの5球は見せ球なので、
全く力も使ってない。
理屈は簡単だが、
大胆な度胸と緻密なコントロールを持つカワハラさんにしか出来ないスキルだ。
と、思われていた。
しかし!
マタキチはさらに発展させた
とんでもない凶悪スキルを開発したのだ!
能力名 『旧竜再燃』
(フォーゲット・ドラゴンズ・ノット)
【効果】 元ずんどらご選手は満塁になると打てないので、
四死球でランナーをためて満塁にしてから打ち取る
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9回、タイギャースの強力クリーンナップ
(トリタニ、ゴメス、マートン)を迎えたマタキチは、
なんとこの3人を四死球で歩かせ満塁にし、
満塁で打てないずんどらごブルーの血
が流れるリョータ・アライ、コースケ・フクドメと勝負、
鮮やかに切って取ったのである!!
打順 |
打者 |
状況 |
結果 |
2番 |
大和 |
|
三振 |
3番 |
鳥谷 |
1死 |
四球 |
4番 |
ゴメス |
1死一塁 |
死球 |
5番 |
マートン |
1死一二塁 |
四球 |
6番 |
新井良 |
1死満塁 |
三振 |
7番 |
福留 |
2死満塁 |
二ゴ |
☆ ☆ ☆ ☆
マタキチのおそるべき新スキルで9回表のピンチを脱したずんどらごは、その裏、
新統一球男・アラキ
が2死満塁からサヨナラタイムリーを放ち、
ゴーヤの日(5月8日)にマタキチに2勝目をプレゼントしたのだった。
能力名 『転がせアラキ』
(ゴロ・クリエイター)
【効果】 飛ばないボールになってからアラキのポップフライが激減
|
4月29日に各球場で統一球が「飛ばない規格」に変更され、
それまでスカポンと上がっていた
荒木のお家芸・ポップフライ
が上に上がらなくなり、
ほどよいゴロになって野手の間を抜けるようになっていたのである!!
アラキの打撃成績
新統一球 (4月29日変更) |
試合 |
打数 |
安打 |
打率 |
アウト |
ゴロ |
フライ |
以前 |
25試合 |
101 |
28 |
.278 |
32 |
28 |
以降
|
8試合 |
26 |
12 |
.462 |
5 |
2 |
5月8日(木)ナゴヤドーム
|
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
R |
阪神 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
|
|
|
1 |
中日 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1x |
|
|
|
2 |
【阪神】岩田、福原、安藤、加藤、玉置、高宮−鶴岡
【中日】雄太、又吉−谷繁
|
【おまけ】
前回のサヨナラ勝利(4月17日、勝利打点ヒラタ、勝利投手マタキチ)(←またお前か!)のとき、
監督なのに思わずベンチを飛び出しはしゃいでしまったタニシゲ監督は、試合後、報道陣に
「次からは飛び出さないよう、反省します」
と言っていたが、今回も飛び出してはしゃいでた。
【おまけ2】
前日のお立ち台(5月7日、勝利打点タニシゲ、勝利投手ハマダ)のとき、
インタビュアーに
「選手として出てるときは監督って呼ばないでください」
と釘を刺したタニシゲだが、
この日先発して7イニング1失点と好投したユーダイは
「監督のミット目がけて投げました!」
と力強く言い放った。