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大会6日目


長崎ちゃんぽん vs どろ焼き
(2回戦)

長崎
海星
(私立海星高等学校)
【所在地】長崎県長崎市


明治中期、長崎の中華料理店が、中国人留学生に安くて栄養価の高い食事を食べさせる為に考案したのが 長崎ちゃんぽん の始まりといわれている。 肉・魚介類・野菜などたくさんの具と太麺が特徴。

中国には「ちゃんぽん」という料理は存在しないので、日本オリジナルの料理である。 語源は諸説あるが、福建省の方言で簡単な御飯の意味の喰飯(シャンポン)から来ているという説が有力。 それがポルトガル語のチャンポン(混ぜる)といつの間にかちゃんぽんになって、 「長崎ちゃんぽん」になったのだろう。

ちゃんぽんの本場・長崎の代表なのに、海星野球部はほとんどが地元選手。 選手のちゃんぽんはしてない ようだ。
【主なOB】 松永浩典(埼)
兵庫
東洋大姫路
(私立東洋大学附属姫路高等学校)
【所在地】兵庫県姫路市
どろ焼きは1998年、 姫路にあるお好み焼き屋が客に「たこ焼作られへんか?」と注文を受け、 お好み焼きと明石焼きをミックスした食べ物を作ったことが始まりとなった。

名門・東洋大姫路は1988年まで甲子園の常連校だったが、 そこからしばらく低迷し、 「どろ焼き」の生まれた1998年から再び甲子園の常連校となる。 これは偶然だろうか?

野球部の誰かどろ焼きを口にし、 「どろ焼き…どろ…そうか!俺達に足りなかったんは、 プライドを捨てドロまみれになることやったんや!」と初心に戻り、 猛練習したことがドロ沼からの脱出に繋がったのだとしたら?
ドロ焼きには、 「ドロまみれになろう」 と人を奮起させる何かがある。


【主なOB】 特になし
【勝敗予想】

「サラダ対決」のときに山岡さんが、栗田さんに 「おいおい君らしくもない。サラダ油なんてものは存在しないんだぜ?」 としたり顔で言い放つ場面がある。山岡さんに言わせれば、「菜たね油」は菜たねから取った油、 「べにばな油」はべにばなから取った油、 じゃあ「サラダ油」はサラダから取った油なのかい?という理屈なようだ。 …山岡(←呼び捨て)、バカじゃねえの。 たこ焼きはたこを焼いたものだけど、 明石焼きは明石を焼いたものか? すき焼きはすきを焼いたものか? どろ焼きはどろを焼いたものか? という話である。

◎どろ焼き
○長崎ちゃんぽん



せんべい汁 vs バター焼き
(2回戦)

青森
光星学院
(私立光星学院高等学校)
【所在地】青森県八戸市


八戸名物・せんべい汁は、 鍋の具として南部せんべいをぶち込んだものである。

「菓子を鍋に入れる」というこの大胆な発想は、常識にがんじがらめの大人では発想できない。 考えてみれば子供の頃は、ごはんにポテチを乗せたり、 みそ汁にキャラメルコーンをいれたり、 鼻の穴にポッキーを入れたりしたものだ。
子供のころは誰もが持ってた自由な発想。八戸っ子は「我々が持っていないものを持っている」のではない、 「我々が失くしたものを失くしていない」のだ。

せんべいを鍋にいれるような自由な発想は、 八戸の野球部なのに八戸出身が一人もいない という誰も想像しない自由なチームを作った。
【主なOB】 洗平竜也(中日OB)、松崎伸吾(楽)、坂本勇人(読)、下沖勇樹(福)
熊本
専大玉名
(私立専修大学玉名高等学校)
【所在地】熊本県玉名市
起源は昭和の半ば、 小さな食堂で、店のおばちゃんが若者にお腹いっぱい食べてもらおうとあり合わせの材料で作ったのが、 バター焼きのはじまりといわれている。 (なんか同じようなエピソードを長崎でも聞いたぞ)

「バター焼き」と聞くと普通は魚や貝柱の鉄板焼きを想像する。 しかしその実体は、 バターを練り込んだ生地に天かす・たくあんなどを挟んで焼き、 二つ折りにしウスターソースで味付けしたものである。

言葉から受けるイメージと実際のギャップが激しいのが玉名という町だ。
言葉の響きに騙されるな。 玉名市だけに玉無しとイメージしがちだが、 専大玉名ナインはとんでく太い肝っ玉を持っているぞ。


【主なOB】 特になし
【勝敗予想】

バター焼きはバターを焼いたものである。 これは食べたい! 中にたくあんが入っているとか斬新過ぎる! 一方のせんべい汁も、鍋にせんべいという発想が新しい(注:せんべい汁が出来たのは江戸時代である)。 ただ、センベイにはお茶と相場が決まっているように、我々は「せんべいをお茶にひたして柔らかくして食べると美味しい」 という事を知っている。普段から自然にやっているのだ。だから味もだいたい想像はつく。 なのでここは味が想像できない「たくあんのバター焼き」をプッシュ。

◎バター焼き
○せんべい汁



ハイネケン vs 徳島ラーメン
(2回戦)

茨城
藤代
(茨城県立藤代高等学校)
【所在地】茨城県取手市


キリンビールは ハイネケン の国内委託販売及び製造契約を結んでいる。
そして、キリンのビール工場『ビアパーク取手』は、 国内で唯一、ハイネケンを製造する工場なのだ。
「11あるキリンのビール工場で、なぜ取手だけ?」 …それは、ハイネケンのオランダ工場と同じ「銅釜」のある工場が、キリンでは取手だけだからだ。

という事は、ここに来れば ハイネケンの絞りたて生 が飲めるということだ。日本中でここだけ、ここでしか飲めないのだ。

ああ、こんな恵まれた環境にいながら、藤代ナインは未成年ゆえにこれを飲むことが出来ない。 この鬱憤をどこにぶつけよう…野球にぶつけるしかない!
【主なOB】 野口祥順(ヤ)、井坂亮平(楽)、美馬学(楽)
徳島
徳島商
(徳島県立徳島商業高等学校)
【所在地】徳島県徳島市
うどん王国・四国で独自の発展をとげた徳島ラーメン は、茶色の豚骨醤油スープに中細麺を使ったものである。
1943年、大社義規が『徳島ハム』(現・日本ハム)を設立、 そのハム工場から大量に出た豚骨を、現地の人が有効活用した、 「門番を雇ってしまったから、門を作ることにした」ではないが、 「とんこつを手に入れてしまったから、とんこつラーメンを作ることにした」 というノリで誕生したのが徳島ラーメンである。

そういえば川上憲伸も、 「FA権を取ってしまったので、アメリカに行くことにした」 と軽いノリで海を渡ってしまった。徳島っ子は、 結果と原因が逆 なのだ。
徳島商も、甲子園に出てしまったので、ついでに優勝でもしてみるか。


【主なOB】 川上憲伸(中日OB)、 板東英二(中日OB)、牛田成樹(横)
【勝敗予想】

ビールと刺身は取れたてが一番うまい。

◎ハイネケン
○徳島ラーメン



岡山えびめし vs 平塚明太子
(2回戦)

岡山
関西
(私立関西高等学校)
【所在地】岡山県岡山市北区


ご飯に海老など具を炒め、ソース味で仕上げる、それが岡山名物・ えびめし だ。

えびめしは元々は東京・渋谷の老舗カレー店のサイドメニューだったものを、 岡山から上京して働いていたアルバイトが技術を盗み持ち帰り、 北区にえびめし店を開店したのが始まり。 その後、その店からは多くの弟子たちが育ち、 えびめしを県内各地に広め、今では「岡山名物」と呼ばれるまでになった。

えびめし屋の店主が東京留学で身に着けた技術を岡山のものにしたように、 関西野球部は大阪や兵庫から多くの野球留学生を招き、 岡山の野球をレベルアップした。 その甲斐あって、今年の関西はほぼ地元出身者で構成されている。
【主なOB】 真鍋勝己(セ審判員)、宮本賢(日)、上田剛史(ヤ)、ダース・ローマシュ匡(日)、森田一成(神)
福岡
九州国際大付
(私立九州国際大学付属高等学校)
【所在地】福岡県北九州市八幡東区
「福岡の明太子はどこも同じ」 と言われショックを受けた店主が、 オリジナルの味を研究・開発した結果できたのが、 九種類・十段階の辛さの 平塚明太子 である。

通常の明太子は辛さを唐辛子の量で調整するが、 平塚明太子はタレをブレンドし熟成させるため、 辛さと共に味も変わる。 この試みは大成功し平塚明太子は大ヒットを飛ばしたが、 調子に乗って手を広げすぎ経営破たん、 2009年に民事再生法を申請し、現在再生に向けて細々と営業している。

捲土重来を目指す平塚明太子のように、 “決してあきらめない” 八幡東のスピリッツは、九州国際大付に29年振りに甲子園の土を踏ませた。


【主なOB】 榎本葵(楽)、加藤大輔(オ)、河野元貴(読育)、二保旭(福育)、日高剛(オ)
【勝敗予想】

ここも甲乙つけ難いカードである。 カレーでも辛さ10倍とか50倍は、端的にいえばチリペッパーの量で調整している。 ところが平塚明太子はそうではなく、タレのブレンドをひとつひとつ変えてると言うのだ。 “辛いだけの辛さ”にならず、 成熟した“美味しい辛さ”になるのは容易に想像がつく。 民事再生中だから再生が失敗すればもう二度と食えなくなる可能性もある。 しかし、ここはグッとこらえて◎えびめし。 えびチャーハンとどう違うのか、確かめてみたい。 平塚明太子は、きちんと負債を返済して復活することを信じている。

◎えびめし
○平塚明太子