戻る
大会4日目


バクダン vs 讃岐うどん
(1回戦)

沖縄
糸満
(沖縄県立糸満高等学校)
【所在地】沖縄県糸満市


沖縄県糸満市発祥の バクダン は、おにぎりを魚のすり身(かまぼこ)で包んで揚げた“揚げおにぎり”である。

イトマンノリョウシ、もとい、糸満の猟師が船上で手軽に食べられるようにと作られたもので (かまぼこ工場の職員の昼食という説もある)、 おにぎりはジューシー(沖縄風炊き込みごはん)・黒米などがある。 糸満ではカマボコ屋やコンビニで手に入れることが出来る。 コンビニのおにぎりと一緒で消費期限が短いため、 沖縄以外に出回ることはまずない。

糸満野球部の野球もこのバクダンのように、 見た目からは中身が到底想像もつかない “バクダン野球” で、甲子園に砲撃の雨を降らせることだろう。
【主なOB】 宮國椋丞(読)
香川
英明
(私立英明高等学校)
【所在地】香川県高松市
高松では古くから小麦・塩・イリコ(煮干し、カタクチイワシ)・醤油といったうどんの原材料が容易に手に入り、 いつしか「讃岐うどんの町」となった。

中央アジアで広く食べられている手延べ麺に「ラグマン」があるが、 これが讃岐うどんと共通点が多く、 唐の時代に遣唐使を経て日本に伝来したと言われている。 地元では讃岐出身の空海(弘法大師)が唐から帰国した折に伝えたとされ、 そっちの方が話として面白いのでそれも有りだ。

英明の“讃岐うどん野球” は、(うどんだけに)打って打って打ちまくる攻撃野球だ。 愛と希望の夢を抱きしめ、闘志を燃やし勝利をつかむ。


【主なOB】 特になし
【勝敗予想】

ある漫画で「讃岐うどんは冷凍の方がうまい」という衝撃の情報を読んで、 試してびっくり、本当に冷凍の方がうまかった(!)。 冷凍の方がうまい、という食品は他に「スーパーの生魚」がある。 「え?生が一番新鮮なんじゃ?」と思うかも知れないが、魚は港にあげた時点で一度冷凍され、 それを解凍したものがスーパーに並べられるので、 その時点で「冷凍の方が新鮮」なのだ。 と、あるスーパーの冷凍コーナーの人が言ってた。 バクダンは好きなときに食べられないのが不便、 よってこの勝負、讃岐うどんに軍配をあげる。

本命…◎讃岐うどん
対抗…○バクダン



串木野まぐろラーメン vs 志んこ
(1回戦)

鹿児島
神村学園
(私立神村学園高等部)
【所在地】鹿児島県いちき串木野市


串木野はまぐろの水揚げ量が非常に多く、町のPRとして 串木野まぐろラーメン が開発された。まぐろの頭・にんにく・しょうが・長葱などの野菜類を煮込み、 鰹・昆布の白だしに醤油ダレとあわせた、中細ちぢれ麺のラーメンである。

2002年登場当初は味のミスマッチが目立ったという報告もあるが、 その後改良を重ね、今ではとても美味しくなっているという。 試行錯誤を繰り返し成長するラーメン、 「進化するラーメン」 が串木野まぐろラーメンだ。

神村学園の“串木野まぐろ野球”も進化する野球。 失敗してもそれにくじけず、昨日より今日、今日より明日と一戦ごとに進化して強くなる。
【主なOB】 野上亮磨(埼)
秋田
能代商
(能代市立能代商業高等学校 )
【所在地】秋田県能代市
能代名物「志んこ」は、 秋田で収穫した“うるち米”で作ったお餅を、特上の餡で絡めた素朴な餅菓子である。

製造日=消費期限なので、 能代でしか食えないと思っていただいて結構、 能代以外の君たちには分からなくて結構、という本当の“ご当地名物”だ。 (京都にも同名の菓子があるが、別物である)
消費期限が当日なので外に出回ることがなく、全国的な知名度は低いが、 「能代に言ったらまず志んこ」と言われるほどの逸品である。

明日のことなど考えない、その日1日限りの命と覚悟し完全燃焼する、 それが能代商の“志んこ魂”だ。


【主なOB】 特になし
【勝敗予想】

さっき言ったことと全く逆のことを言うが、 志んこの「製造日=消費期限」というのが実に男らしいではないか。 高校野球は勝ち抜きトーナメント、今日勝たなければ明日はないのだ。 失敗しても何度もやりなおし、勉強を重ねて成長していく串木野まぐろラーメンも立派だが、 高校野球は一度失敗すればそこで終わりだ。

本命…◎志んこ
対抗…○串木野まぐろラーメン



素ラーメン vs 焼きじゃがばたぁ
(1回戦)

鳥取
鳥取商
(鳥取県立鳥取商業高等学校 )
【所在地】鳥取県鳥取市


うどん汁にラーメンの麺が入っている、 いわば「ラーメンうどん」とでも言ったようなものが、 鳥取名物・ 素ラーメン だ。 具はねぎ・もやし・かまぼこ・天カスとシンプル、うどんのように唐辛子をふりかけていただく。

なまじ具が全然ないと、寂しくなって(人は誰でも寂しがり屋だから)つい何かをトッピングしたくなる。欲が出る。 しかしねぎやもやしがあれば、寂しさは消える(一人じゃない、ねぎ君ももやし君もいるじゃないか)。欲が消える。 純粋にラーメンを楽しむことが出来る。

素ラーメンの「素」は素直の「素」だ。 チャーシューに頼らず、天ぷらに頼らず、素直にラーメンを楽しむから、素ラーメン。 鳥取商の野球もそんな “素ベースボール”だ。
【主なOB】 特になし
北北海道
白樺学園
(私立白樺学園高等学校)
【所在地】北海道河西郡芽室町
マチルダはスウェーデンから輸入されたじゃがいもの品種で、“貴婦人”を意味する。 そのマチルダさんで作られた芽室町名物がマチルダポテトの 焼きじゃがばたぁ だ。

アムロ(←芽室と似ている!)が「マチルダさぁ〜ん!」と叫ぶ有名なシーンでは、 焼きじゃがばたぁが恋しくなったアムロが芽室(←アムロに似ている!)に思いを馳せている。 それほどマチルダポテトは甘く男をとりこにするのだ。

白樺学園チアリーディング部は、 1回戦から旭川と帯広を往復し野球部を全力応援、 選手には手作りのミサンガを渡したという。 白樺ナインに取ってのマチルダさん の声援を背に、男たちは燃え上がる。


【主なOB】 特になし
【勝敗予想】

チアリーディング部…ミサンガ…だ…と…?
がんばれ鳥取!絶対負けんなよ!!

本命…◎素ラーメン
対抗…○マチルダの焼きじゃがばたぁ



こいのぼり焼き vs 和歌山ラーメン
(1回戦)

埼玉
花咲徳栄
(私立花咲徳栄高等学校)
【所在地】埼玉県加須市


こいのぼりの生産数が日本一の加須(かぞ)市では、 なんでもこいのぼりにする。 もちろんたい焼きだって こいのぼり焼き になる。

こいのぼりは江戸時代中期に広まった文化で、生産者も当然江戸近辺に集中した。 明治の初め、加須市の提灯や傘の職人が副業にこいのぼり作りを始め、 その後の関東大震災で東京のこいのぼり職人が激減し、 日本のこいのぼり作りが加須の独占状態になった。 つまり特別何かしたわけではないが、気が付いたら日本一になってた、 坊主丸もうけ とはこの事である。

こいのぼりの町からやってきた花咲徳栄は、どんな強い風にも正面から立ち向かい、 決して破れることはない。
【主なOB】 阿部俊人(楽)、根元俊一(千)
和歌山
智弁和歌山
(私立智辯学園和歌山高等学校)
【所在地】和歌山県和歌山市
和歌山のラーメン屋では、 テーブルに普通にゆで卵と早寿司(サバ寿司)が置いてあり、勝手に食べて、 最後に自己申告して清算する。 和歌山ラーメン は路面電車の停留所の屋台として普及した経緯があり、 そこに寿司業者が商売を持ちかけ、 ラーメンのサイドメニューとして定着した、という話のようだ。

元々が屋台のメニューだけに、和歌山ラーメンには目立った特徴がない。 個性が強す過ぎるのは路面電車の客層には向かない。 「普通の味、飽きない味、昔からの味」 が和歌山ラーメンの最大の特徴なのだろう。

智弁和歌山の野球も 「普通の野球、飽きない野球、昔からの野球」。 普通の野球が一番強く、もっとも難しい。


【主なOB】 岡田俊哉(中)、 宮ア充登(広)、中谷仁(楽)、武内晋一(ヤ)、橋本良平(神)、西川遥輝(日)
【勝敗予想】

早寿司とは十分に発酵させていない段階(早い)のサバ寿司をアセの葉で巻いたもの。 ラーメン屋ですぐに食べるため長期保存の必要がないので、早くていいのである。 早寿司だけに早打ちで自滅しないか心配だが、天にのぼって竜になるはずのこいのぼりをコイの段階でつかまえて焼いてしまうのも考えものだ。 こいのぼりの季節もとっくに終わっているので、ここは和歌山ラーメンに軍配。

本命…◎和歌山ラーメン
対抗…○こいのぼり焼き