▼上がらなかった右手 しげるは、ミットを構えたまま、1ナノミリとも動かなかった。 しげるはパリーグのキャッチャーやセの万年Bクラスチームのキャッチャーと違い、 捕球の瞬間ミットを「ボールからストライクの位置へ」動かし、 球審を騙すなんて男らしくない真似はしない。 しげるはいつだって正々堂々だ。 「インチキはよくないぞ!」 |
そのしげるが、ボールをキャッチしたまま微動だにしない。
2ストライク2ボールからの1球。
審判は「ボール!」とコールしたが、
それを聞いてもしげるはキャッチしたままの姿勢で動かなかった。 この日の球審はこの試合を通じてここまで、ストライクは広めに取っていた。 それが、 さっきまでストライクと言ってたコースなのに、手をあげてくれない。 延長11回、オリックスのサヨナラのチャンスになった途端に 突然ストライクゾーンが変わった のだ。 どれくらい長くしげるは静止していただろう。長い長い時間が流れ、ようやくしげるは金剛にボールを返球した。 |
ここがストライクじゃないなら、もう投げるところはひとつしかない。 金剛は、このイニングで取ってもらえる唯一のストライクゾーンに、投げた。 ボールは、センターバックスクリーンに飛んで行った。 |
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▼病気の子供 これは推測だが、おそらく、 今日の球審は家に病気の子供がいて、定期的にクスリを飲まないと死んでしまう病気なのだ。 だから早く帰ってクスリをあげたかったのだ。 延長12回までやるわけにはいかなかった。11回裏のここで試合を終えて、 急いで家に帰り病気の子供にクスリを飲ませなければいけなかった。 そうでなければ、あのストライクをボールと判定した理由が合理的に説明出来ない。 金剛としげるは、あの球がボールとコールされた瞬間、全てを悟り、 「ああ、このままだと子供が |
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死んでしまうのだ」
と察し、急遽試合を強制終了させ、子供の命を作ったのである。 金剛、しげる。心やさしい戦士たち。病気の子供はきっと救われたよ! ▼セサルが止まらない! |
30日のダイエー戦で来日初の猛打賞を放った俺たちの夢・セサル
だが、
この日も4安打の猛打賞でファンタジーを魅せた。 |
この3試合で打率.727、5打数連続安打の大活躍!
もう誰にもセサルを止めることは出来ない。 おそらくこの覚醒を予想できていたのは、世界でも 落合監督と、セサルの家族と、本サイトだけだろう。 |