▼ウォーク・アバウト 大人になるために、やるべきことがある。 英語ではウォーク・アバウト(Walk About)という。 元々の意味はアボリジニが大人になるときに、 アウトバック(荒野)を旅し、様々な苦境を乗り越えながら、 生きていくための知恵や種族の伝統などを学ぶことだ。 アメリカやオーストラリアでは、 少年がある年齢を迎えたとき、親は子供を一人旅 |
に出す。
少年はそこでいろいろなことを学び、精神的に成長して帰ってくる。 つまり大人になるための通過儀礼だ。 逆に言えば、これを経験しない人間は大人になれないのだ。 イニシエイションやイントゥ・ザ・ワイルドという言い方もするが、 外国では普通にある習慣で、日本にはこれが無い。 日本の社会には大人なのに子供みたいな人間がいっぱいいるが、 それは日本にウォーク・アバウトの習慣がないからだ。 |
▼読売戦は1勝2敗 同率首位、ゲーム差なしで迎えた中日−読売の三連戦。 勝ち越した方が単独首位という頂上決戦ということで、 原監督の方はさぞや気合が入り、興奮しただろう。 そして必死の戦いで読売は2勝1敗と勝ち越し、 この夜は嬉しくて眠れないことだろう。 ↑ぬか喜びする原監督 |
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正直、読売に勝つのは簡単だ。
お茶の子さいさい、へそで茶を沸かすより簡単だ。
だが、目先の勝利よりやるべき事がある。 ▼大人になる試練 それは、開幕1軍ルーキーを ウォーク・アバウトに出すことだ。 |
大島・松井佑の2人の“少年”。いや、もう24歳と22歳で全然少年じゃないんだけども。
プロ野球選手としてまだ小僧っ子、って意味で。 この試合でセリーグ5球団との対戦がひと回りした。セにはどういうチームがいて、 どういう戦い方をするのかを学んだことだろう。 そして5番目に当たった球団は(中日を除けば)日本で一番強い、 日本で一番悪い、読売だった。 両ルーキーは全力でぶつかり、砕け散った。 「倒すべき相手」が誰であるかを知った。 これは、少年がウォークアバウトに旅立つ前の準備である。 |
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▼しばしの別れ 試合後、二人は西へ。 由宇、鳴尾浜、雁ノ巣といったアウトバック(荒野)を旅し、様々な苦境を乗り越えながら、 生きていくために必要なことを学ぶのだ。 旅から帰った時、少年は大人の顔になっているだろう。 |
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