強の白熱した争いは、
シーズン中に投手陣を酷使しすぎた阪神がまずギブ・アップ、
ペナントは中日と読売の二チームに絞られた。
終盤、明日などないかのようなスクランブル態勢で連日投手を酷使する読売。
しかし、落合監督は決して川上や岩瀬に無理をさせなかった。
なぜならこの年からルールが変わり、
日本シリーズに出るためにはリーグ優勝するだけではダメで、
「クライマックス・シリーズ」なる
敗者復活戦
を勝ち抜かなければいけなくなったからだ。
この三年で二度のリーグ優勝を果たしている落合ドラゴンズの目標は、もちろん日本一。
リーグ優勝なんかもうやり飽きた。
目標と呼ぶには中日にとっては志が低すぎるリーグ優勝なんかのために、
川上や岩瀬を潰すわけにはいかない。
クライマックスシリーズや日本シリーズだってあるんだ。
競馬でいえばまだ向こう正面出口、こんなところでムチを入れるジョッキーなんて田中勝春くらいだ。
2008年3月 落合監督講演会より
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去年からあのクライマックスシリーズという訳の分からないものが出来てしまってね。
あのクライマックスシリーズが無ければ、
ドラゴンズの悲願である連覇というものも出来たんであろうと思います。
でー、負けてから「連覇できたんであろうと思う」と言っても、
いやあ、やっぱジャイアンツ強かったんだろうという風に思うでしょうけども、
まあこの先、クライマックスシリーズって事がなくて日本一って事だけを考えたら、
まあ、“勝ちに行く手”ってのは幾らでも打てたろうと。
(中略)
ドラゴンズはっていうと、まあ、馬なりの状態で、
最後までピッチャー中六日で使っていけばいいだろうと。
まあその中には、阪神タイガースみたいにね、藤川だ、久保田だという、
年間通して六十試合七十試合八十試合って放れるピッチャーが、
いない事はないんでしょうけども、
今年・来年・再来年ってことを考えたら、
そこまで耐えられるだけの、体力はないだろうと。必ずケガする。
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選手の選手生命を終わらせない形で、来年以降も見据えた上で、
いかに日本シリーズに出場するか。
こうして、ドラゴンズはこの年のレギュラーシーズンを二位で終了した。
仮の優勝フラッグ
を手にした読売は、自分の体がボロボロなのにも気付かず、
のん気に「奪還」とかいう寒いフレーズを流行語大賞にノミネートさせようと
系列新聞や系列テレビを使って必死の宣伝をしていたんだ。
これから、最終コーナーと最後の直線が待っているというのに。
まあどこに目標を置いてるかの違いだな。
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中日の目標は日本一、読売の目標はリーグ優勝だった、それだけの話だ。
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一方、日本シリーズ制覇のためにペナントを読売に譲った落合監督は、
頭を丸め、気合を入れ直していた。
「ほんとの戦いは、こっからだべ」
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落合くんが中日監督になり、就任一年目でリーグ優勝を遂げたオフに出た一冊。
ちなみにノブタンの著書は落合ロッテ時代に一冊、
中日時代に二冊、その後長い間空白があって、
中日監督時代にやっと四冊目が出た。
きっと中日は(選手の私生活にもうるさい読売と違って)「本を出版しやすい環境」なんだろう。
落合中日移籍一年目のオフに書かれた。
三冠王のプライベート、下ネタもたっぷりの問題作。
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