幕投手は五年目の今中慎二。今中&山本昌の“左腕時代”の幕開けだ。
今中は「目の覚めるようなストレートと眠くなるようなスローカーブ」、
対して山本昌は「眠くなるようなストレートと目の覚めるようなスクリュー」
で大活躍、二人の左腕はそれぞれ十七勝を挙げ、
この年の最多勝を分けあったんだ。
「エース今中 弓のよう」ってやつだな。
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「大将・山本 槍のよう」ってやつだ。
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さらに山本昌は最優秀防御率(二位は今中)、
今中は最多奪三振のタイトルを獲得し、
投手三冠をドラゴンズの左腕ダブル・エースで分け合い、
チームは前年の六位から二位へと大きくジャンプアップした。
週のうち二日、山本昌と今中が投げる日は楽しかったな。
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残りの四日は何じゃもんじゃだったがな。
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チーム内最多勝利投手
1987年 |
小松辰雄 |
17勝 |
1988年 |
小野和幸 |
18勝 |
1989年 |
西本聖 |
20勝 |
1990年 |
西本聖 |
11勝 |
1991年 |
郭源治 |
13勝 |
1992年 |
山本昌広 |
13勝 |
1993年 |
今中慎二、山本昌広 |
17勝 |
1994年 |
山本昌広 |
19勝 |
1995年 |
今中慎二 |
12勝 |
1996年 |
今中慎二 |
14勝 |
1997年 |
山本昌 |
18勝 |
1998年 |
野口茂樹、川上憲伸 |
14勝 |
1999年 |
野口茂樹 |
19勝 |
2000年 |
バンチ |
14勝 |
2001年 |
野口茂樹 |
12勝 |
2002年 |
川上憲伸 |
12勝 |
2003年 |
平井正史 |
12勝 |
2004年 |
川上憲伸 |
17勝 |
2005年 |
川上憲伸 |
11勝 |
2006年 |
川上憲伸 |
17勝 |
2007年 |
中田賢一 |
14勝 |
2008年 |
山本昌 |
11勝 |
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野口茂樹
(のぐち・しげき、1993-2005)
ゲーセンで鍛えたリストの柔らかさで九十九年にはMVP投手にまでなったが、
中村さんのミットがなくなると不振に陥り二軍落ち。
ナゴヤ球場のある尾頭橋周辺にはゲーセンが少なかったため、
ゲーセンの多いよみうりランドを本拠地とする東京のチームへFA移籍した。
古池拓一
(こいけ・たくいち、1993-1999)
同じ松下電器の小池秀朗と間違えて指名した。
神野純一
(じんの・じゅんいち、1993-2003)
一試合三本塁打の記録を持ち、三つ子のパパ。
二〇〇〇年の名古屋豪雨では愛車GT−Rを水没させており、
岩瀬・種田と並んで「水没トリオ」を結成、三の数字に縁がある。
小森哲也
(こもり・てつや、1986-1997)
グラウンドでは小さな体で活躍、
グラウンドの外では税務署への過少申告で暗躍した。
南牟礼豊蔵
(みなみむれ・とよぞう、1991-1993)
オリックス時代は代打専門、
オープン戦の対中日戦で、冗談で星野監督に「俺を獲ってください」
と言ったら本当に獲ってくれたという逆指名選手。
“トヨゾー”の愛称で親しまれた。
(それは愛称というより本名じゃないのか)
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