売から移籍の西本聖はこの年(一九八九年)、
二十勝を挙げる大活躍を挙げる。
落合も久々のタイトル・打点王を獲得し、
星野政権になってからは初めて対読売戦を勝ち越し、
「落合キラーの西本を引き抜いて対読売戦の勝率をあげる大・作・戦」
は、一応の成功を見せたんだ。
しかし、読売に勝ち越したはいいけど、
結局ペナントを優勝したのは読売で、二位は広島、
中日は三位でシーズンを終えたんだ。
読売戦に力を入れすぎて、
他チームとの対戦がおろそかになっちゃったんだね。
前年の優勝のときも実は読売には負け越してたからな。
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ファンはセンイチに「読売戦の勝ち越し」を期待していたからな。
センイチも空気を読み過ぎて、
読売戦にのみ頑張り過ぎてしまったな。
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オフには当然の如くトレードの嵐が吹き荒れ、
「俺は藤王だぞ」
で有名な藤王康晴はじめ、大量十選手をトレードで放出、
交換で九人の選手を他球団から獲得したんだ。
■藤王伝説
二〇〇五年二月二七日午前四時頃、
一宮市内のコンビニで、アルバイト店員(二二)が掃除をしていると
一人の男が因縁をつけてきた。
「俺がいるのに何で掃除をするんだ!」
と言うなり、男は店員の腰・あごを殴る蹴るの乱暴に及び、店を出ていった。
それからおよそ一ヶ月後の三月二七日午前零時半頃、
再び男が同じコンビニに現れた。
店長(二八)が以前の暴行について男に問いただすと、
男は持っていた弁当入りの買い物袋を振り回し、
店長にまた暴行を加えた。
「お前の監督が悪い!俺は藤王だぞ!」
店長を殴りつつ同時に自己紹介をする男。
しかしこの自己紹介により秒速で身元が判明し、
男は四月二二日に愛知県警に逮捕された。
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藤王康晴
(ふじおう・やすはる、1984-1989)
深夜のコンビニで店員が店内を掃除することすら許さない、
サービス業の接客態度にこだわりを持つ男。
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