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の年のドラフトでも中日は裏ワザを炸裂させる。 中日はこの前の年、台湾出身で愛知大学リーグで活躍した大豊泰昭を 球団職員(練習生)として雇用した。 これは、当時のルールで 「外国籍の学生をドラフトにかける場合、 五年以上日本に滞在していないと日本人扱いにならない」 というのがあって、大学卒業から一年待って、 大豊が“日本人扱い”になるのを待ったんだ。 通常、こういう場合(=球団職員として囲い込んで翌年のドラフトで指名)は 「一位で指名する」という 暗黙の決まり があった。 だって、球団職員として囲い込むってのは、野球協約で禁止されている 「交渉解禁前の入団交渉(タンパリング)」と一緒 だからね。 本当はルール違反だけど、そこはまあお互い様っていうか、 ルール違反を見逃す代わりに一位指名権は放棄する、 ってことで見て見ぬふりをしてたんだ。 ところが中日はその暗黙のルールを破り、 大豊ではなく 今中慎二を一位指名 する。 ドラフト前から今中は「希望球団は中日」と表明していたんだけど、、 十二球団のスカウトが今中を注目していて、いつ横取りされてもおかしくなかった。 だから今中獲得を確実にするため、中日は球団職員の大豊を二位指名に回し、 今中を一位指名したんだ。 この中日の紳士協定破りの「ドラフト戦略」は他球団から非難を浴び、 この出来事がきっかけでドラフトのルールが改正されてしまった くらいなんだ。
要約すると、 「球団職員をドラフトで指名してはいけない」 ってことだよ。 中日が紳士協定を破っちゃったから、 もう囲い込みは出来ないことにされてしまったんだね。
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今中慎二 (いまなか・しんじ、1989-2001) 大豊泰昭 (たいほう・やすあき、1989-1997,2001-2002) 山口幸司 (やまぐち・こうじ、1989-1999) 酒井忠晴 (さかい・ただはる、1989-1995,2003-2004) 清水雅治 (しみず・まさじ、1989-1995) |