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第一次星野時代

中尾孝義を放出 1988年

星野仙一
優 勝しても星野監督の飽くなき補強は続く。


 そろそろ星野監督にとっての「トレード」とは、 補強というより、どっちかっていうと趣味 だってことにファンも気づいてくる頃だ。

 毎年主力を放出するのももはや慣れっこ、 この年さし出される村娘には、八十二年リーグ優勝のMVP・中尾孝義が選ばれ、 交換要員として読売から西本聖を獲得したんだ。

 そして “星野のトレードに外れ無し” の異名の通り、 既にピークは過ぎたと思われていたこの西本が、 翌年は中日のエースとなって大活躍するんだよ。

前年たった四勝の西本が、いきなり二十勝を挙げたからな。 青コアラ
金コアラ もともとは“落合キラーの西本”を引き抜くことで、 対読売の対戦成績を勝ち越すことが目的のトレードだった。
センイチの獲った選手の「一年目稼働率」はすごいからな。 青コアラ

 そしてこのトレードによって、 近藤貞雄監督時代の“八十二年優勝メンバー”は、 星野監督の可愛がってる宇野勝を残し、 すっかりいなくなってしまったんだ。

【一九八二年・主力オーダー】
一番 (右) 田尾安志 →山内監督時代にトレードで放出
二番 (中) 平野謙 →星野監督時代にトレードで放出
三番 (三) モッカ →退団
四番 (一) 谷沢健一 →星野監督時代に引退勧告
五番 (左) 大島康徳 →星野監督時代にトレードで放出
六番 (遊) 宇野勝  
七番 (捕) 中尾孝義 →星野監督時代にトレードで放出
八番 (二) 上川誠二 →星野監督時代にトレードで放出

 作戦名・スイープ。

 星野監督は就任後たった二年で、前優勝監督である近藤貞雄のにおいを きれいに消し去ったんだね。

田尾安志 平野謙 モッカ
谷沢健一 大島康徳 宇野勝
中尾孝義 上川誠二 小松辰雄



1988年
トレード
1988年トレード

1982年
優勝メドレー

田尾安志
ヒットを狙え
今だガッツを見せろ
一発頼むぞ みんなの安志

平野謙
俊足だ Go 行くぞ
走れ走れ平野謙
狙いは一つだ盗塁王
ベースを駆け抜けろ

モッカ
ゴーゴーレッツゴー
モッカ レッツゴー
レッツゴーレッツゴー
ホームラン

谷沢健一
さあ待ってるぞ
さあ待ってるぞ
ホームラン

大島康徳
ホームランホームラン大島
ホームランホームラン大島
さあ来るぞ 絶好球
狙い定めてぶちかませ

宇野勝
ここで一発ホームラン
燃えろ 燃えろ 宇野

中尾孝義
今だ打て ヒット打て
それ行け中尾
闘魂込めて ぶちかませ

上川誠二
上川誠二 ガッツのある男
小さいけれど 根性は日本一

小松辰雄
ホームランホームラン小松
ホームランホームラン小松
さあ来るぞ 絶好球
狙い定めてぶちかませ


人物紹介
中尾孝義
中尾孝義
(なかお・たかよし、1981-1988)
 乱闘の際には、 相手選手の股間に蹴りを入れるという血も涙もない勝負の鬼。 “中日一の巨根”と言われるほどの大モノで、 敵の股間を蹴り上げるのも「ライバルになりそうな相手の芽を摘む」 男の本能だったのだろう。 (中尾トレード後は中村武志が「大モノ」の名を受け継いだ)


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