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野監督就任二年目の一九八八年、 ドラゴンズは天を翔けるが如く大躍進する。 先発陣こそ頭数が揃わず苦労したものの、 序盤で五点取られても終盤で六点取る野球 をやってたから、先発が打ち込まれてもお構いなし。 ガンガン打ちまくって終盤に必ず逆転し、 あとは最強の中継ぎ陣がしっかりゼロに抑えるという野球で、 ドラゴンズは優勝へ向かって一直線に突き進んで行ったんだ。
テレビをつけると0−5で負けている。 読売ファンならそこでチャンネルを替えるところだけど、 中日ファンは「これから逆転するんだから、気持ちのいい話だよなあ」 と、期待に胸を躍らせた。 何番からでも点の取れる“強竜打線”はセ界を一気に飲み込んだ。 あまりに打線が強力だったので、 後に近鉄で本塁打王を三回も獲得するラルフ=ブライアントを金銭で放出したことも、 ドラゴンズファンは 見なかったことにした ほどだだったんだよ。
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小野和幸 (おの・かずゆき、1988-1993) |