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沢を引退させ、 世紀のトレードで落合を獲得した星野監督一年目のシーズンが始まった。 星野野球は闘志を前面に出す「ケンカ野球」で、 ナゴヤ球場を大いに盛り上げたんだ。 選手を怒鳴りつけ、審判を怒鳴りつけ、 乱闘には先頭切って飛び出して相手の選手を引っぱたき、 ベンチを蹴っ飛ばし、扇風機をブっ壊す。 「闘志なきものは去れ!」 が星野ドラゴンズのキャッチフレーズとなった。
やられたらやり返す荒々しい星野野球は実に野蛮で暴力的だったものの、 血に飢えていた 当時の中日ファンには拍手喝采で受け入れられたんた。 しかし、連日続くこの乱闘騒ぎに、 (監督命令で)乱闘に参加しながらも一人、 眉をしかめてる選手がいた。 「野球選手はプレーで客を盛り上げるべきだ。こんなのは、野球じゃない」 この年、ロッテから移籍したばかりの、落合博満だ。
これは二〇〇八年に行われた落合講演会からの抜粋。 落合は高校時代は野球部の鉄拳制裁に嫌気がさして不登校になり、 大学時代も野球部の上下関係にうんざりしてすぐに辞め、 体育会系ノリの“鉄拳指導”が大嫌い だった。 一方、星野監督は明大野球部時代に鉄拳指導で育てられ、 自分が指導者になっても同じことを下の人間にした。 体育会系ノリの“鉄拳指導”が大好き だった。 |
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