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七月十日(金)○中日―●広島東洋 察にスコアラーを送っただけで 「中日はスパイをしている!」 と他球団スコアラーを球場出入り禁止にするくらいのブラウンだから、 情報戦には否定的なのだろう。 〇対〇で迎えた延長十回裏ドラゴンズの攻撃、一死二塁の場面でなんと このところチャンスで箸にも棒にもかからない森野を敬遠、 長短打でケースバッティングの出来るブランコとの勝負を選択 するのだから、中日サイドは誰もが 「えっ、広島には中日の情報が行ってないのか!?」 と目を疑った。 しかし、今までもピンチの場面では内野五人作戦など数々の奇策を打っては 「どうだい、ワシの采配はすごいだろう」 と チームの力よりも自分の采配の特殊さをアピールしてきた“頭脳派監督”ブラウン だけに、 ひょっとして今回もブランコを討ち取る奇策を用意しているのかも知れない。 敬遠された森野でさえも 「え?俺、敬遠でいいの?」 と首をひねる中、一死一二塁となって打席にはブランコ。 立ちはだかる広島のピッチャーは前回登板で 横浜マシンガン打線に一イニング七安打五失点KOされた林。 「ブラウンのことだ。何か奇策があるはず。何か…」 無かった。 <奇策 「情報戦の嫌いなブラウン」だからあえて中日情報を収集してないのか、 と思いきや、翌日の広島大本営・中国新聞には 「森野、藤井、井端ら俊足の走者を塁に出した」 という衝撃文字列が掲載され、「情報を集めてない」というよりは、 「特に森野に関して、何か間違った情報が中国地方に流れている」 という奇妙な事態になっているようだ。 何もしなくても、いるだけで相手が恐れおののき後ずさりする----。 “悪魔の石像”森野の誕生だ。
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ブランコ 荒木雅博 (あらき・まさひろ) 井端弘和 (いばた・ひろかず) チェン |