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七月一日(水)○中日―阪神● もののことを関西では“パチモン”と呼ぶそうだが、 ブランコのパチモン が現れた。 阪神が緊急補強した新外国人のブラ何とかという選手に、 デーリーが“ブラ砲”と 勝手に名づけ、 新聞の見出し等で堂々と「ブラ砲」「ブラ砲」と使っているのだ。(!) やれやれ。 「阪神もあんな大砲が欲しいよう、中日がうらやましいよう」という ブランコへの憧れがそうさせるのか、 あるいは関西の中日ファンが「あれ?デーリーでブランコ特集やってるぞ」 と間違って買ってしまうことを狙った売り上げ戦略なのか。 いずれにしても既に他球団で定着している呼び名をそのまんまパクって使用するなど、 いくら平成の大不況で新聞の売り上げを伸ばしたいとはいえ “必死のパッチ” とはこのことだ。 まあ放っといてもいいのだが、このままにしておくのも世間体が悪い。 野球界では楽天の田中まさお(※登録名・田中将大)に対し、「マー君、マー君」とマスコミが 友達でもないのに馴れ馴れしくニックネームで呼んでる ために、世間的には 「マー君=楽天の山崎武司によく似た若者」 ですっかり定着してしまい、幕張のマークンはすっかりニセモノ扱い、 「何ロッテのマスコットは人の名前をパクってんだよ!」 と石を投げられる日々を過ごしていると聞く。せんない話だ。
阪神の ブラ何とか という外国人も、 このままデーリーが「ブラ砲、ブラ砲」と呼び続けると、 阪神ファンが 「中日にはブラ砲っちゅう、ブラゼルのパチモンのパクリ外国人がおるらしいで!」 と言い出すのは時間の問題と言えよう。 ケンタッキー人形を「バースのニセモノや!」と 道頓堀に投げ込んだのも阪神ファンだ。 そのうち「阪神のブラ砲はナゴヤドーム天井直撃のホームラン打ったんやで!」 とか平気で言い出しそうだ。いや、きっと言う。必ず言う。 そういう阪神ファンの暴走を防ぐためにも、この対阪神三連戦では 「パチモンと本物の違いを阪神ファンに優しく教えてあげる」 という大きなテーマがあった。
そして中日先発・小笠原の前に阪神打線がゼロ行進を重ねると六回裏、 無死一二塁から “本物のブラ砲”ことトニ・ブランコ がレフトスタンド四階席直撃の豪快ホームラン!!! こうして“ニセモノのブラ砲”ことブラゼルは完全脱帽、 「本物のブラ砲」決定戦 は戦前の予想通り、中日のブランコに軍配が上がったのだった。
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荒木雅博 (あらき・まさひろ) おめでとうございます。荒木の足のおかげでいっぱい勝ってるよ! ブランコ 小笠原孝 (おがさわら・たかし) 岩瀬仁紀 (いわせ・ひとき) |