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六月二十七日(土)●広島東洋―中日○ ールド・べースボール・クラシック二連覇で世界一を証明した日本のプロ野球。 その国のトッププレーヤーということは、 即ち“世界のトッププレーヤー”であることを意味する。 野球世界一の国のオールスターファン投票で、 セ先発投手部門の一位に輝いた日本のエース、 いわば 世界のエース・大竹 がこの日のカープ先発。 大竹の名前がコールされた瞬間、 中日ファンはあきらめにも似たため息をついた。 「相手は世界的スターの大竹か…。こりゃ、やる前から勝負がついてるようなものだ」 対する無名軍団の中日の先発は、ファン投票九位の並の投手・吉見。 一位と九位の戦いなんて、どれだけいたぶられて中日は負けるんだ、 と重い空気が漂った。 ところが、奇跡は二度起こる。 ファン投票外野手部門では 赤松はおろか嶋よりも下の和田 が同点ソロを放つと、 カープ二軍のシーボルより下の森野 が勝ち越しのタイムリーを放ち、 今日もカープファンにとっては名前も知らないような無名の選手の活躍で、 スター不在のドラゴンズがオールスター軍団のカープに逆転勝ちしてしまったのだ!
ファン投票一位のスーパースター・大竹を打ち崩してスター軍団相手に奇跡の二連勝を収めた中日。 いやいや、まだ夢は見まい。 オールスター九ポジション中五ポジションを占めるようなスターチームに、 同一カード三連勝などという分不相応な夢は、 森野に痩せろというくらい無謀な幻想だ。 「オールスター軍団相手に二勝もした」 今はそれだけで満足しなくていけまい。 敵は、日本中の野球ファンがファン投票で認めた“球界の絶対勢力”なのだ。
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森野将彦 (もりの・まさひこ) 和田一浩 (わだ・かずひろ) 荒木雅博 (あらき・まさひろ) 中川裕貴 (なかがわ・ひろき) 吉見一起 (よしみ・かずき) 浅尾拓也 (あさお・たくや) 岩瀬仁紀 (いわせ・ひとき) |