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TROUBLE 3
■大物内野手Tの疑惑(1997年11月)
【事件ファイル】
1997年オフ、現役プロ野球選手及びJリーグ選手に脱税容疑が発覚。
「俺たちはファンに夢を売ってるんだ」とはプロ野球選手が(主に年俸交渉で球団との駆け引きのときに)よく使う言葉だが、
国民のために使われるはずの税金をチョロまかしてたってんだからとんでもねえ話だ。
夢とやらをカネでファンに売り(夢のねえ話だ)、さらに税金といういわば“ファンの文化生活費”を二重にかすめ取ってたってわけだ。
当初、疑惑の選手は実名公表されなかったが、
エキサイティングスポーツ新聞『東スポ』は1面トップで
『脱税は中日の大物内野手T!』
と電撃スクープした。
この年、中日の内野陣レギュラーは
- 一塁・大豊
- 二塁・立浪
- 三塁・ゴメス
- 遊撃・日替わり
だった。
中日ファンは騒然となった。「内野手」で「T」で「大物」となると
立浪か大豊
のどちらかという事になる。遊撃には種田・鳥越という小物が日替わりで出場していたが、
東スポの1面に書きたてられるような大物ではない。
長距離砲(当時)とチームリーダー(当時)。
一体、どっちが犯罪に手を染めたのか。どちらが抜けても中日にとっては大打撃だ。
☆ ☆ ☆ ☆
数日後、脱税容疑者が実名で公表され、
中日の「大物内野手T」は、鳥越と種田だったことが判明した。
(他に山田洋・遠藤・佐藤秀)
世に言う、「中日ファン一億総ポカーン事件」である。
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中日の大物内野手・T越は名古屋地方裁判所の公判、何を聞かれても
「野球で取り戻します」
「グラウンドで結果を残します」
と、自分の話ばかりで罪状に対する反省が全く見えないとんちんかんな答えを繰り返し、
裁判長に
『たとえ鳥越被告が3割5分打とうとも、山田被告が15勝あげようとも関係ない!
社会人として、してはならないことを忘れてしまうとグラウンドで活躍できなくなる』
とお説教され、翌日のスポーツ新聞では
「鳥越、裁判官にしかられる」
とまたネタにされた。
さすが大物内野手だ。
▼参考:プロ野球脱税処分者(当時現役選手のみ)
【有罪】裁判大好き宮本(ヤ)・小久保(ダ)・渡辺秀(ダ)・山田洋(中)・鳥越(中)・波留(横)・万永(横)・北川(ヤ)・三輪(オ)
【不起訴】秦さんに聞いてみろよ(ヤ)・米(横)・川尻(神)・種田(中)・遠藤(中)・佐藤秀(中)・斉藤貢(ダ)・本間(ダ)・藤井(ダ)
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