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--入団当時の紹介記事

画像 [名前]川上憲伸 [出身]徳島市 [略歴]国府小→国府中→徳島商→明大 [生年月日]1975年6月22日生まれ [趣味]釣り、ゴルフ [生活信条]全力投球 [好きな食べ物]焼き肉、すし [嫌いな食べ]辛いもの [好きな色]赤

開幕ローテの期待

 アマ球界ナンバーワン投手。中日のドラフト一位の川上憲伸(22)の実力は折り紙付きだ。 百七十八センチ、八十キロとガッチリした体格。 ストレートはマックス百四十九キロ。それに、キレのあるフォーク、 スライダーがある。明大時代は、東京六大学現役最多の二十八勝を稼いだ。
 小学校時代は、サッカー少年。その並外れた運動神経を買われて、ゴールキーパーを務めていた。 小学六年から始めた野球。ずっと遊撃手だったが、徳島商業時代の一年の秋に投手転向。 二年の夏には、エースにのし上がっている。 そして、三年時には夏の甲子園で、ベスト八にまで進出した。
 とにかく、スポーツ万能、子どものころから通知表の体育の評価はAだった。 サッカー、野球のほか砲丸投げ、ハードルなど陸上全般と何でもござれ。 もうひとつA評価をもらっていたのが、図工と美術。風景画などで特選をもらうのはザラだった。 高校時代は、自分の投球フォームを描いた作品が、校内で張り出されたことも。 教科書の余白にイタズラ書きされた似顔絵なんかも、特徴をとらえてて面白いものばかり。
 プロ入りに際しての当面の目標は、一年目の新人王。 それに、将来的には通算二百勝とデカイ。 星野監督も、一年目から開幕ローテ入りを期待している。背番号十一。 この男が期待通りの活躍をしてくれれば、中日の来季も明るくなる。

画像 [名前]井端弘和 [出身]川崎市 [略歴]川中島小→川中島中→堀越高→亜細亜大 [生年月日]1975年5月12日生まれ [趣味]音楽鑑賞 [ニックネーム]なし [生活信条]努力と根性 [好きな食べ物]すし [嫌いな食べ物]なし [好きな色]青

俊足、好守で定位置どりへ殴り込み

 百七十三センチ、七十キロ。この決して大きくはない体が、ユニホームを着れば「大きく見える」と、 担当した水谷スカウトが話した。
 かつて中日で大型遊撃手として鳴らしたウーやんこと宇野勝(現評論家)のファン。 亜大の一年先輩で、昨年のドラフトで中日入りした中野捕手とは大学時代から親しくしていた間柄。
 神奈川県生まれで高校、大学も東京だったが、中日とは浅からぬ縁があったのかも知れない。
 「中野さんが入ったこともあって、中日の試合は注目して見ていました。 これまで打つチームというイメージが強かったけど、だいぶ変わってきたように思います」
 広いナゴヤドームに本拠地を移し、打つだけの野球から走れる、守れるチームへの転換を図る中日だが、そうしたチームの方向転換は、 井端にとっても望むところ。
 「アピールするのは足と守り。星野監督は怖そうだけど、ついていけばいい事があると思う。 自分としても、やりがいがあるチームだと思います」
 スカウトの報告を聞いた星野監督も「とにかく、センスのある選手だと聞いている」と言う。
 広いナゴヤドームこそ、井端には最高の舞台。自慢の足と守りで、定位置取りに殴りこみをかける。

『月刊ドラゴンズ』(一九九八年一月号)より