第146話
黒レフト計画、着々
他球団の誰もが恐れるドラゴンズ
“鉄壁の外野陣”
に、ひそかな変化が出ている。
それはよほど気をつけてみなければ分からない小さな変化である。 だが、その小さな変化がやがて大きな波になり、 チーム全体を揺るがす大きな激震になるかも知れない---- そんな不気味な“変化”である。
(パタンA) 対左投手 or 広い球場用スタメン
(パタンB) 対右投手 or 狭い球場用スタメン
中日の基本守備陣形は「パタンA」か「パタンB」。
福留とアレックスは固定
で、守備重視なら英智、 攻撃重視なら井上という起用法が2006年オーダーである。
「先発ガ右カ左カデ守備ガ違ウナンテ、アンフェアダ! 先発ヲ予想スルナンテ、卑怯ナ行為だ!!」
「監督、ソレハ広島モヤッテマス…」>
そのオーダーが、今回の対広島のカードから変わった!
(パタンC)
“固定”である福留・アレックスをライトとセンターに入れ、
“可変”である井上をレフトに
持ってきたのである!
シーズンも既に終盤、このオーダーの入れ替えには、どんな意味が!?
ブラウン vs 落合
16回戦
1
6
梵
2
3
広瀬
3
9
嶋
4
5
新井
5
7
前田
6
8
緒方
7
2
倉
8
4
東出
9
1
ロマノ
1
4
荒木
2
6
井端
3
9
福留
4
3
ウッズ
5
5
森野
6
8
オチョア
7
7
井上
8
2
谷繁
9
1
山本昌
そして試合開始直後、テレビ新広島解説・達川氏の
衝撃の一言
が列島を駆け抜けた!!
「そういえば試合前練習で、
立浪がレフトの守備練習
してましたよ」
「バカな…今まではタツさんがライトなんて出来るわけないから、スタメンは俺か英智のどっちかやったが…。 レフトとなると話が違ってくるで…俺とタツさんじゃ、キャラが被るがな…」
「何か、何かタツさんにはない、俺の一芸を…」
「そうや!足や!!」
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
中日
1
0
0
2
0
0
3
1
0
7
広島
3
0
0
0
1
0
2
0
6
試合は中日1点リードで9回裏突入、 2アウト一二塁でバッター前田という大ピンチを迎えた!!
そして岩瀬の投じた初球を前田が弾き返すと、打球はガラガラの左中間へ!!
しかし、そこへ
一塁ランナーのときには見せたことのない韋駄天の足
で、抜けたと思われた打球に飛び込んできた男がいた!!
「ぬぉおおお!!」
「ハァハァ、ゼェゼェ、これだけ足を見せれば、 レフトのレギュラーの座は安泰やな…」
「…カズキはこれから守備固めで使えるな…」
やはりスタメンは立浪にするか