第154話

ハマスタ盗難事件〜名探偵カズキ〜



 この日、横浜スタジアムで行われた横浜−中日戦。
 試合の方は いつものように中日勝利 で終わったわけだが、 その試合中、 監督室から落合監督のバッグが盗まれた ことが試合終了後になって発覚したのだ!!

 「こういうときの推理も選手会長の仕事や!」

 名探偵カズキは早速持ち前のピンク色の脳細胞をフル回転し、 5人の容疑者 が集められたのである!!



井上選手会長 「今日集まってもらったのは他でもない。
うちの落合監督のバッグ盗難事件のことや」

井上選手会長 「個人のプライバシー保護のために名前は明かせないが、 この5人は日頃からハマスタの監督室に出入りし、 部屋の内部や警備の状態に詳しかったものや!!

犯人は…この中にいる!!



容疑者

牛島

通称・U
原

通称・H
古田さん…

通称・F
岡田

通称・O
ブラウン

通称・B



☆   ☆   ☆   ☆   ☆




井上選手会長 「Uさん…あなたは現役時代、落合さんとの交換トレードで中日を出されて、 ウチの監督を怨んでた、違いますか!」

牛島 「アホか。ワシが怨むならセンイチの方や。 だいたい復讐すんのに、かばん盗みなんてケチなことするかいな。 やるんやったら生爪をペンチで1枚ずつ剥いで、 ケツのアナから手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わして、 横浜港で『浪商温泉』や!」

井上選手会長 (やる…この人なら本当にやる…!)




☆   ☆   ☆   ☆   ☆




井上選手会長 「Hさん…あなたは現役時代、落合さんのFA移籍で読売4番の座を奪われた…。 そして“球界初の、年俸1億円のベンチ・ウォーマー” と呼ばれた。 そのことで落合さんを怨んでいた!違いますか!?」

原 「え?“球界初”ならすごいことじゃないの? アハハ、アハハハハ!よく覚えてないけど、 ボクってそんなすごい選手だったんだ!アハハハハ!」

井上選手会長 (アホや…!この人、ほんまもんのアホや…!
こんな人に、綿密な盗難計画が立てられるやろか…?)




☆   ☆   ☆   ☆   ☆




井上選手会長 「Fさん…あなたは今シーズン、 中日との試合で数え切れないほどのメガネを割られた! そのことで落合さんを怨んでいた!違いますか!?」

古田さん… 「……」

井上選手会長 「何で黙ってるんですか!
いっぱいメガネ、割りましたヨネ!?

古田さん… (←もう米野の「ヨネ」と聞いただけで、条件反射で割れるようになってる)




☆   ☆   ☆   ☆   ☆




井上選手会長 「Oさん…自力優勝の消滅している阪神にとって、 中日に負けてもらわないと優勝の可能性はない。 そのことで落合さんが試合に集中できないよう妨害した!違いますか!?」

岡田 「そらそうよ」

井上選手会長 「え…認めるんですか?」

岡田 「そらそうよ」

井上選手会長 「まさか、冗談でしょ?」

岡田 「そらそうよ」

井上選手会長 「最近、阪神の調子が妙にいいと思ったら…
これはロボットや!!

本物の岡田監督は何処へ…?




☆   ☆   ☆   ☆   ☆




井上選手会長 「というわけで、他の4人の無実が証明されたので、残った一人が犯人です」

ブラウン 「アンフェアダ!!」

ブラウン 「自分の思い込みで“盗まれたに決まってる!”と大騒ぎ、 過剰な被害妄想で、確たる証拠もなしに他人を侮辱するノカ!
謝罪シロ!」

井上選手会長 「おや?私は
犯人はこの5人の中にいる。だが他の4人は無実だ、
と言ってるだけで、特定の個人名は出してませんよ?」

ダカラ謝罪ナンテ必要アリマセーン
特定ノ個人名ハ出シテマセーン

井上選手会長 「心にやましいことがるから反論するんでしょう?」

潔癖ナラ何デ怒ルノカ、理解デキマセーン



「メジャー流の考え方」で、犯人はブラウンに決定!

見ているぞ。



ぶっちぎ竜