第131話
古田、米野にメガネパリン
♪今日もどこかで メガネパリーン
♪今日もどこかで メガネパリーン
都会のコンクリートジャングル
漆黒の闇に包まれた夜
今日もどこかで、パリーンの音がする
2006年8月7日
古田選手“戦力外”…多菊球団社長が事実上の引退勧告
容赦はなかった。6日の中日戦(神宮)で逆転負けし、自力優勝が消滅。 悪夢から一夜明けたこの日、多菊球団社長の頭は来季へ向けて切り替わっていた。 最大の懸案事項は選手・古田の処遇だ。
「戦力としてはちょっと厳しいんじゃないか。本人はやる気みたいだけど、 球団としては1年契約しかしてない。その方向性ということ」
と迷いなく言い切った。
ピシッ。
「まったく、現場を知らない人は好き勝手に言うで…。 オレが試合に出ないのは、後継者を育てるためや!」
「その甲斐あって、今、米野という若いキャッチャーがスクスクと育っている!
俺がベンチに控えていることで、競争意識が芽生えるんや! もし俺が監督専任やったら、米野は自分を正捕手とでも錯覚して、 緊張感がなくなってエラーポロポロやで!」
ヤクルト vs 中日
12回戦
1
8
青木
2
3
リグス
3
5
岩村
4
7
ラミレス
5
9
宮出
6
6
田中浩
7
4
梶本
8
2
米野
9
1
石井一
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
ヤクルト
0
0
0
0
0
2
0
1
0
3
中日
0
0
0
1
1
0
0
0
2
1
4
荒木
2
6
井端
3
9
福留
4
3
ウッズ
5
5
森野
6
7
オチョ
7
8
英智
8
2
谷繁
9
1
中田
試合は9回表を終了して3−2とヤクルトがリード!
9回裏、1死一塁でバッターは福留!
カウント1−1からの高津の3球目、ランナー井端がすかさずスチールした!!
キャッチャー・米野、セカンドへ送球!
米野の痛恨の暴投で1死三塁とした中日は、福留が簡単に犠牲フライを打ち上げ、 9回裏、ついに
同点に追いついた
のだった!
試合は延長戦に突入し、同点のまま12回裏に。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
R
ヤクルト
0
0
0
0
0
2
0
1
0
0
0
0
3
中日
0
0
0
1
1
0
0
0
1
0
0
3
12回裏、1死一塁でバッターはウッズ。
抑えのエース・木田が2ストライクから投げた渾身のストレート!
ウッズ、空振り三振!
ランナー藤井が二塁を狙う!
キャッチャー・米野、セカンドへ送球!
三振・ゲッツー完成ならそこで試合終了だ!
9回に続き12回も米野まさかの暴投でランナーを三塁に進めた中日は、 森野敬遠のあとアレックスが
サヨナラヒット
を決め、 劇的な逆転勝ちでマジックを「31」にした。
なお、この日のヤクルトのエラー数は「5」。 うち2つは米野の暴投で、中日にとっては同点・勝ち越しの点に絡んだ。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
R
ヤクルト
0
0
0
0
0
2
0
1
0
0
0
0
3
中日
0
0
0
1
1
0
0
0
1
0
0
1x
4x
×ヤ3−4x中○
戦い終わった荒野を去り
一人、また一人
家路につく人、人、人
今日もどこかで、パリーンの音がする
♪今日もどこかで メガネパリーン
♪今日もどこかで メガネパリーン