第77話

【特別編】 仙台牛タン紀行


第6章 戦士たちの朝は日曜も早い


 熱血取材班の朝は早い。
 朝 6:30に起床 した我々取材班は、朝の仙石線に飛び乗った。
 ガタンゴトン、ガタンゴトン。電車に揺られる。
 そして時計の針が9時を回ったころ、電車は目的地に到着した。


石巻駅

 はるばる来たぜ石巻!!

 なぜ我々がこのような北の最果ての地にいるかというと、 この地にはあの伝説の
 『石ノ森章太郎萬画館』
 があると聞いたからだ。

 もちろん、決して観光気分なんかではない。

 土曜の試合で突如発覚したドアラのスパイ疑惑
 試合前、クラッチと親しげに話していたドアラ。そしてショッカーの手先になったクラッチ。

 仮面ライダーの生みの親である石ノ森章太郎の萬画館に来れば、 何か手がかりが掴めるかも知れない。 我々取材班はそう考え、この地を訪れたのである。
 決して観光ではない、観光ではないのだ。


石巻でライダーと記念撮影 石巻で009&003と記念撮影 石巻でロボコンと記念撮影

観光ではない、観光ではないのだ。


  
  おばあちゃんが言っていた…。
仮面ライダーは、よくあの格好のままでバイクに乗っている…。
という事は、あのマスクはヘルメットと兼用…。
即ちライダーはコンビ二に出入り出来ない…!
ショッカーは、コンビ二で悪事を働けばいいんだ。
 
  
天道総司



第7章 島村ジョー、イメージ失墜


    「おい、何だあれは!?」
    「ヒィィイイッ!!人が…人が埋まっているっ!?」
壁に埋まられた島村ジョー

 壁に生き埋めにされた赤い服の男。赤い服ということは、カープの選手だろうか…?
 我々取材班が急いで調査した結果、この埋まってる人はカープ選手ではなく、島村ジョーという人だということが分かった。

 じゃ、いいや。

 さらに歩き進むと、白い巨大要塞が我々の前に立ちはだかった!!


石ノ森章太郎萬画館
    「こ、これが石ノ森章太郎萬画館…!!」
    「ナゴヤドームかと思ったぜ…」
    「まさか、飲食物持ち込み禁止なんてことは…!?」
    「まさか…外野2階席を非公式の会員制にして、一般販売では手に入らないようにしてるなんてことは…?」
    「一般売りの入場券は5階席ばかりで、展示物が豆粒みたいにしか見えない、なんてことは…?」
 などと会話しながら萬画館に入ると、ナゴヤドームと違って 入場券はちゃんと一般の客にも販売していた。

    「ナゴヤドームよりいいね。」
    「うん、展示物見えるしね。」



 萬画館でひと通りの偵察を終え、軽い昼食を取ろうと3階食堂へ向かう。
 そこで、我々は驚愕すべき光景を目の当たりにしたのである!!


ごゆっくりどうジョー


島村ジョーがダジャレを!?

    「まさか…ジョーがダジャレを…
     しかも加速装置をオンにしながら、 『ごゆっくりどうジョー』 とは…!!」

 とんだイメージダウンだ、島村ジョー。
 我々は重い気分で石巻を後にし、フルキャス宮城へと向かった。


  
  おばあちゃんが言っていた…。
日本の"三大ジョー”といえば…
矢吹ジョー、島村ジョー、ハタ坊だジョー、と…。
 
  
天道総司



第8章 暴かれた黒い関係



 そして、心にモヤモヤしたものを抱えながら、試合は始まった。


フルキャス宮城

↑フルキャス宮城の風景


 試合を見ながらも、どうにも心に引っかかるものがある。
 いても立ってもいられなくなった我々取材班は、中日が5点リードしたところで席を立ち、球場の探索に出かけた。

 そして球場の裏、人気のない静かな森林の奥に、我々は カラスコのアジト を発見したのである(!)。


カラスコのアジト

↑ 発見!カラスコのアジト!


 そして次の瞬間!
 カラスコのアジトから とんでもない人物 が姿をあらわした!!


カラスコのアジトから出てくるライダー

カッ、カラスコのアジトから、仮面ライダーがッッッ!!!


お前ら、グルだったのか!?


 なるほど……そういう事だったのか……!


 謎は、だいたい解けた。


 取材班の推測は、こうである。


相関図


 こう考えると、島村ジョーが生き埋めにされてた理由、 クラッチとドアラの謎の密談、 カラスコのアジトからライダーが出てきた事実、全てに説明がつく。
 言ってみればこれは、
 マスコット同士の愛憎劇
 で、球団とは何の関係もないただの痴話喧嘩ということになる。
 そう考えると、昨日ドアラがレフトスタンドから敵にサインを送っていたように見えたのも、 単に目の前のチビッコにピースサインしていただけのようにも見える。
 というわけで、

 ドアラ・スパイ説、終了。

 やれやれ、また無駄な時間を過ごしてしまった。


  
  おばあちゃんが言っていた…。
ドアラがスパイであろうがなかろうが、
別に試合に影響ねーんじゃね? と…

せいぜいわざとバック転を失敗するくらいしか…
 
  
天道総司



第9章 遠い仙台にこだまする



 試合は、いつの間にか終わっていた。


 
中日
東北楽天


勝利の2次会

「♪仙台、仙台、いいところ!」
「♪美味しい牛タン、食いまくれ!」

 フルキャス宮城に詰め掛けた67万9000人の中日ファンは、 最後に全員で「美味しい牛タン、食いまくれ!」と熱い約束を交わし、 解散した。



第10章 みどりの窓口で



 球場を後にした我々は、熱い声援を共に送った仲間たちに別れを告げ、仙台駅に向かった。

 「っていうか、来週のインボイスでまた!」
 「また!所沢で!」

 徒歩で仙台駅に到着し、新幹線の時間までミニ祝勝会でもしようかと居酒屋探しを始めようとしたところ、 「『みどりの窓口』に朝倉と英智がいますよ!」 と特派員から通報が入り、さっそく現場へ向かったのだった。

 みどりの窓口。の後ろの壁の方で、スーツ姿の朝倉と英智が手持ち無沙汰に佇んでいる。
 窓口の方を見ると、高橋聡文がキップの手続きをしている。
 「指定ないそうです!」

 どうやら試合が早く終わったので、仙台には泊まらずその日のうちにナゴヤへ帰ろうとしているようだ。
 そこへタニシゲさんが登場。



tanisige  

朝倉  「新幹線、指定席あいてないみたいです」

tanisige  

朝倉  「自由しかないみたいで」

tanisige  

tanisige  

朝倉  「………」



 朝倉は、ひとり新幹線の改札へと向かった。


 土曜の試合、勝利投手としてヒーローインタビューのお立ち台で言い放った朝倉の一言が、ズシリと我々の胸に響く。
 「早くエースと呼ばれるようになりたいです」(朝倉)



  
  おばあちゃんが言っていた…。
エースの条件…。それは、 「新幹線自由席の場所取りを言いつけられないこと」 だ。
 
  
天道総司



第11章 さらば仙台



 「っていうか、来週のインボイスでまた!」
 「また!所沢で!」

 いつの間にやら『みどりの窓口』に集結していたさっきフルキャスで別れたばかりの連中と再び別れを告げ、 我々は仙台駅ビル構内『牛タンロード』にある寿司屋でたらふく寿司を食った。
 そして帰りの新幹線の出発5分前になって、ふと我々は気づいたのである。

 「あ。まだ牛タン食ってない。」







!!



 我々は急いで駅弁屋に走り、弁当屋を3件回り、出発時間ギリギリで『牛タン弁当』を購入。 フルキャス宮城での仲間たちとの“誓い”を果たしたのだった。


牛タン弁当3連星

「♪美味しい牛タン、食いまくれ〜」




ぶっちぎ竜