僕を見てくれ。 カブレラの体当たり、ズレータのラフプレー。 ガタイの大きい外国人選手に暴行されても、 満身創痍でグラウンドに立ち続ける。 「そりゃ痛いですよ。でも、歩けるうちはケガに入らないですから」 熊工の先輩・前田智徳から受け継いだ、 荒木雅博のハードMプレイを見てくれ。 僕を見てくれ。 ファンファーレが終わるまでは決してバットを振らないファンへの心遣いと、 チャンステーマが始まると10球はファウルで粘り、 相手投手ばかりか外野のファンまでバテさせる 井端弘和の遠慮のない粘りを見てくれ。 僕を見てくれ。 交流戦、DHとの兼ね合いでレフトにコンバートされたとき、 『月ドラ・6月号』に 「三塁手としての守りには往年のキレが見られなくなった」 と、思い切り今まで禁句だった記者およびファンの本音を書かれてしまい、 その後またサードに出戻りコンバート。 ついうっかり本当のことを書いてしまったドラ番記者・寺西と、 立浪和義のその後のバツの悪さを見てくれ。 僕ヲ見テクレ。 セ界が誇る荒木・井端の二遊間だから、内野ゴロの処理はお手のもの。 しかし、ゴロを捕ったからといってファンはまだまだ油断できない。 ファースト・ミット1個分のストライクゾーン、 針の穴をも通すコントロール、 ドキドキハラハラ、スリルとサスペンスの一塁送球。 そして、正面に投げたからといって必ずしも捕るとは限らない、 タイロン=ウッズのエキセントリック・キャッチを見てくれ。 僕を見てくれ。 継続は力。 3月のオープン戦終了時、「あとは微調整だけです」と言い放ち、 シーズンも半ばを過ぎていまだに微調整を続けている、福留孝介の ロング微調整を見てくれ。 僕ヲ見テクレ。 「打撃に目を瞑っても、センターの守備が巧ければ数得点の価値があるのだ」と世間に思わせ、 「やっぱり野球は守備なんだ」と堀内を惑わせた結果、 まんまと 読売・キャプラーのスタメン定着をアシスト した、 アレックス=オチョワの“数得点分の価値がある”守備を見てくれ。 ついでに、中スポが勝手に名付けた「サンダービーム」という名称は忘れてやってくれ。 いや、みんなもう忘れてるか。 僕を見てくれ。 中日ドラゴンズお笑い部門担当、 オフのバラエティ番組でその真価を発揮する 井上一樹を見てくれ。 ボールを捕ってから投げるための肩は強いが、ボールを捕るまでがモタモタして遅い。 甘い球は逃さず打つが、甘くない球は面白いように空振りする。 グラウンドでの表裏一体プレーを彷彿させる、 よく喋る分すべりも多いトークを見てくれ。 僕を見てくれ。 セリーグの精密機械、ナンバーワン・キャッチャーとして頂点に君臨する、 シゲシゲ・リードを見てくれ。 飛ばすだけならメジャー級。豪快なフルスイングでナゴヤドームのレフトスタンドに突き刺さる、 勝負を決めるシゲシゲ・ホームランを見てくれ。 ゴルフの腕はセミプロ級。オフのゴルフコンペを総ナメにする、 谷繁元信のシングルの腕前を見てくれ。 |