「タイロン、今度ヤクルトに内角投げられたら乱闘するんだって?」 「エッ? 何ノ事ダヨ?」 「新聞みたぜ。すごいガッツじゃないか!楽しみにしてるぜ」 「エ?ナニ? 確カニ死球ハ許セナイッテハ言ッタケド…」 「何言ってるんだ。新聞(中スポ)で1面になってるよ。今度来たら殴り返してやる!って」 「エ?マジ?マジ? 新聞ノ1面???」 既に、後戻りは出来なかった-------。 「ヤクルト戦でぶつけられたら、乱闘する」 外国人は、契約が何より優先する社会。 この瞬間、ウッズの言質によりマスコミとの「契約」が 成立した。 ウッズの肩にプレッシャーがのしかかる。 「嫌ダナア…出来レバ乱闘トカシタクナインダケド…。出場停止トカナルシ…。 ダイタイ、ボク、平和大好キ。喧嘩トカ嫌イヨ」 地元の新聞の1面で大々的に 「今度ビーンボールが来たら乱闘する」と 公約 させられてしまったウッズ。 そして迎えた5月5日のヤクルト戦。 ウッズは、試合前からヤクルト選手に、 「内角投ゲナイデネ」 「オ願イダカラ内角ハ止メテヨ」 「内角来タラ、ボク、ゼッタイ乱闘シナクチャイケナイ事二ナッテルミタイナノヨ」 「ダカラ絶対、内角投ゲチャ駄目ヨ!ヨロシクヨ!」 と、お願いして回ったのである!! しかし、「内角攻めを止めろ」なんてワガママな要求が通るわけがない。 ピッチャーはバッティング・マシーンではない。外角も投げれば内角も投げる。 「ここに投げるな」なんて敵のいうことを忠実に守っていては、 試合に負けてしまうのだ。 藤井の投げた一球が、ウッズのインハイをかすめる!! ♪どうする〜 |