春の仕置キャンプ、4日目。
早出特打でスタンドティーを行う谷繁に、落合親分が近づき、
なんと、約十五分ほど言葉のやり取りを交わしたのだ(!)。
この、別に監督と選手なら何処のチームでも普通にやってる行為
が翌日の中スポの1面トップを飾ったのは、
これまで巷で囁かれていた落合親分vs谷繁の“不仲説”が、少なからず影響しているといえる。
「ついにッ!!」
「和解したのか、あの二人は!?」
という「衝撃ニュース」が列島を駆け抜けた!!
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「ああしろ、これやれじゃなかったですよ。僕の打ち方はこうで、自分はこうだったと…。
その違いですね」(谷繁)
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「谷繁? 雑談だよ。そんな話はしてないよ」(落合親分)
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新聞報道によれば、落合親分はこのとき、
谷繁のバッティングについて
指導したというのだ!!
それがもし本当だとするならば、大事件である!!
どうして「大事件」であるかと言えば、話は5年前までさかのぼる。
実は谷繁は1999年の春きゃんぷ(当時は関内ぼったくり一家に所属)で、
きゃんぷ巡りをしていた落合親分にバッティングについて教えを乞い、
にべもなく断られているのだ!!
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「もうちょっと打てるようになるためにはどうすればいいですか」(谷繁)
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「君は打たなくていい。打てなくていいから、
きちんとインサイドワークを勉強しなさい」(落合親分)
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(落合博満・著『落合にきけ!』より)
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そして五年の月日が過ぎ、あのときは教えなかった仕置きのマル秘技法を、
今、落合親分は自らすすんで谷繁に教えたというのであるッ!!
「君は打たなくていい」と言っていた落合親分の、心替わりの理由は一体!?
捕手はリードが仕事のはずなのに、谷繁にバッティングを教えるその意図は!?
そう、谷繁は
代打として大きな期待
をされているのである!!
どうもシーズン終了から春キャンプまでの谷繁の行動を見る限り、
「リードの勉強」もする気も、
「投手とのコミュニケーション」を取る気もない様子。
聞け、谷繁!!
投手が出勤して投げている限り、捕手に休みなどないのだッ!!
秋きゃんぷを理由もなく休んだ時点で
(いや、「ゴルフ」とか「温泉」とかの理由はあったのだろうが)、
谷繁は、捕手という「自分の仕事」を放棄したのである。
「君は守らなくていい。もうリードはやらなくていいから、
代打としてバッティングの勉強をしなさい」
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春きゃんぷ、田上・前田章と「やる気のある若手捕手」が順調に育っていく。
しかし、若手が育つということは、ベテランが働き場を失う、ということでもある。
そういえば、何処も引き取り手のなかったベテラン・川相に働き場所を用意してやったのも落合親分だった。
若手を育成する中で、同時に職をなくしたベテランの後の仕事まで考えてやる。
まさに球界のハローワーク!!
落合親分の懐は、深い。
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