『悪妻だから夫はのびる』 (1) 〜男を奮い立たせる法〜 1986.11.30刊/光文社/落合信子・著 |
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二年連続、三度目の三冠王を達成した年のオフにこの書は発行されている。
発行日が11月30日となっているように、
この年のオフに落合は「世紀のトレード」で中日に移籍するのだが、
この書が書かれた時点ではまだ“ロッテの落合”である。 当時、「プロ野球選手の夫人が著書を出版する」というのは異例の出来事だったと思うのだが 同じ年の4月に出た落合親分の処女作『なんと言ってもオレ流さ』が好評だったのだろう、 ダブル副業で小銭を稼いでいる あたりは、 三度の三冠王だけではなかなか食っていけないロッテの給与事情 を示していて、なかなか興味深い。 | |||||||||
落合親分が名古屋一家の元締めとなってから、その言動は『落合語録』として 各スポーツ紙で取り上げられている。 昨オフの就任当初は、「変わり者の落合がまた変わったこと言ってるよ」的な、 決して好意的なものではなかった (ナガシマのおかしな言動を嘲笑する『ナガシマ語録』のように!) が、 シーズンが進むにつれ、 その言葉には「ああ、あの言葉にはこういう意味があったのか!」 「なんと奥の深い言葉なんだ!」 と思い知らされ、民衆は親分の言葉の奥深さを初めて知るようになるのである。 我々は落合親分の多くの“言霊”を耳にし、 あるものは頭から否定し、あるものは思考を放棄した。 そして親分に感心を抱く者だけが、自分の頭で考え、自分の頭で理解しようとした。 そしてそれは今シーズンの選手に与えられたテーマでもある 「自分で考えて、自分でプレーする」という想像力による創造を、 ファン・選手一体となって育んでいく事でもあった。 ここでは、 本書に出てくる落合親分が信子夫人に放った数々の名言・金言を、 テキストに起こしてみる。 その言葉の一つ一つの意味を、 (シーズン中、我々が「落合はここで何を考えただろう?」と想像したように) 皆さんの想像力でふくらましてみて下さい。
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普段から恋人の前でも無愛想な親分。 そんな親分が名古屋一家の元締めになり、取材に行って何も情報が得られないと、 「落合親分は記者に何も話してくれない!」 とバッシング記事を書くとは、マスコミは思い上がりにもほどがあるというものだ。 親分はマスコミに対して冷たいのではない。 誰に対しても無口なのだ。 当時、恋人だった信子夫人にさえ 「何を聞いても馬の耳に念仏。なにひとつまともな答えが返って来ない」 (本書より) ほどなのである。 ただ、それは別にして、 「落合がピーコという鳥を飼ってるから、落合もピーコ」 という夫人の論理もよく分からない。 普段からお互いだけに意味が通じる“落合語”みたいなのがあるのかも知れない。
これは、今まで無口で自分の意思表示もろくに出来なかったシャイな落合君…い、いや、 落合親分が、恋人の信子さんに対して「なれなれしい口」を叩くようになった、 心を開いたエピソードとして記されている。 そして我々は、「ああ、この頃から、信子夫人は あんな腕 してたのかあ」と、二人の絆が“心の絆”であることをあらためて思い知るのである。 (よく落合夫人と比較される野村克也夫人は、 知り合った当時は美人ママで、克也はその美貌にメロメロだったらしいが、 落合夫人は昔も今も変わらないのだ!あのままなのだ!)
そうかあ? それ、「プロポーズ」かなあ…。何か、また違うプレーなんじゃ…? い、いや、口ベタな落合君、もとい、落合親分らしいエピソードである。 嫁入り前の娘さんに「裸になって立て!」とは、 私のような凡人にはサッパリその意図が分かりません。 しかし、これも“オレ流”、落合親分なりの愛の意思表示だったのでしょう。 もし親分に今、「あの言葉の意味は、何だったんですか?」と聞いたなら、 親分はこう答えるだろう。 「キミたちには分からなくて結構!!」 さて、せっかくロマンチックないい話が出てきたので、 ここでシモ系に移るのは野暮というもの。 「ソープランドが浮気かよ!」他のエピソードは後編で。 | ||||||||||