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川上。第1戦の先発はお前だ。
ウチのエースとして胸張って投げてこい。
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ハイ!
ところで、特に気をつけないといけないバッターはいますか?
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知りません。
作戦はモリシゲ&タニシゲのシゲシゲコンビに任せてます。
私はな〜んにも、知りません。
ただ、4番のカブレラはこれと言って穴の無いバッター。
打たれても気にする事はないし、どうしても打たれたく無かったら
歩かせりゃいいだけ。
問題は5番の和田だ。和田に気をつけろ、ってタニシゲが言ってたよ。
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和田さん…って、どんな人なんですか?
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西武の選手会長で向こうのチームリーダーだな。
いわば、お前と一緒だよ。
お前も将来はウチの元締めになるかも知れないんだ。
十年か二十年か後には、和田とお前で「監督対決」なんてあるかも
知れないな。
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将来的に今とは違った立場でライバルになるかも知れない、
ってわけですね!
ようし、頑張るぞう!
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そして、天下分け目の第1戦が始まった!!
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西武 |
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名古屋 |
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両軍投手戦で始まり、3回を終わり0−0。
そして迎えた4回表、西武の攻撃、バッターは和田!!
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この人が和田…。
何故か、他人のような気がしないな…。
将来の幹部候補生としてのライバル以外に、
何か不思議な縁を感じる…!!
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ケンシン君か…。
思えば彼はM大でホシノさんの後輩、
そして僕は県G商で、偉大なるモリミチ大先輩の後輩…。
先輩同士がチュニチで権力争いをしたライバルというのもあるが、
それ以外にも、何か不思議な因縁を感じるのは、気のせいか…。
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勝負だ、和田さ…… ん?
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さあ来い、ケンシン君!!
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あの頭は!?
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カッキーーーン!!
「モリミチ先輩のカタキだ!!」
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ガーーン!!
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「………」
和田の頭部に熱い視線を送る川上↑
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分かった…。和田さんに感じた妙な親近感の謎が…。
そうか…そういう事だったのか…!!
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西武は、和田のこの一発の他にも、
5回に県G商の和田の後輩・英智が何でもないライトフライを痛恨のタイムリーエラー。
川上はこの2失点で抑えたものの、味方打線の援護なく、第1戦を落とした。
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西武 |
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1 |
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名古屋 |
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0 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
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川上はこの試合で、これから長きに渡って戦っていくライバルを得た。
この悔しさをバネに、ひと回りもふた回りも成長してくれるだろう。
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ライバルって、言うか、仲間って言うか!
次は絶対に負けません!!
勝負も!
育毛も!!
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