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世界で一番さわがしいのが大阪・兵庫近辺にすむ人間、
いわゆる“カンサイジン”
(*1)
と呼ばれる人種である。
(*1)…以前は“オオサカジン”と呼ばれていたが、
“オオサカジン”と限定してしまうと兵庫・奈良・京都あたりが含まれなくなるため、
正確を期す意味で、
一説では京都出身の島田紳助が“カンサイジン”と言い換えたのが最初と言われてる。
“カンサイジン”の騒がしさはこれまでも映画やドラマ、
漫画の世界でもよくパロディ化されているが、
その“カンサイジン”の中でもとりわけ騒がしいとされる種別が、
“ハンシンファン”である。
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元締め。
仕置き依頼の客人が来ています。
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通せ。
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落合親分、実は…
阪神ファンを、黙らして欲しいのでロッテ!
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阪神ファンを黙らす?
あの世界一騒がしい阪神ファンを?
無理。
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お願いだロッテ!
だってアイツラ、うるせぇんだもん。人のことを
「デブ」とか「給料ドロボウ」とか「醜いヒキガエル」とか
言いやがってロッテ…。
本当はピッチングで黙らせるのがいいんだけど、俺、ちょっと
もうあそこには行かないことが決まりそうだロッテ。
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全くもって阪神ファンの言うことが正しいと思うが、
そうか、今季でいなくなるのか。思い残しがあるのは悔しいだろう。
よし。それとは別に、“あの世界一騒がしい阪神ファンを黙らせる”
というテーマには興味がある。
やってみよう。
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お願いしますロッテ!!
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☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
この日も、甲子園球場は耳をつんざくばかりの騒がしさに包まれていた!
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阪神 |
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3 |
「オラ井川ー!しっかりやらんといてこますどー!」(←応援)
「イガー!!完封せんと家に帰れる思うなよー!」(←応援)
「打たれたら殺すど!!」(←応援)
阪神先発・井川は完封ペース。竜打線をここまでゼロに抑え9回、
1アウトでランナー一二塁、
完封まであと2人
の局面を迎えた!
得点は3−0、ホームランでも打たれない限り同点はない。
バッターは“ミスター・フォアボール”こと魔眼・高橋光信。
エース・井川から見れば完全な格下の控えバッターだ。
カウント2−2からの渾身の一球!!
「目標、完全に沈黙しました」
「いや〜、今日の甲子園は静かだな〜」
「あ。」
↑三塁側ベンチのわずかな物音も聞き逃さないライトスタンド
試合はこのまま延長に突入、11回表、タニシゲのソロホームランで名古屋一家が勝ち越し、
見事な逆転勝利を収めた!!
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名古屋 |
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阪神 |
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いつも言うことは一緒。
光信で「勝てる」と思ったから代打で出したんだ。
井川から同点3ラン?
そんな驚くことじゃないよ。
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親分、まさか本当にオレが打つとは思ってもいなかったしょ?
ベンチでものすごいびっくりして、
「うわっ、ラッキー!!」
って顔してましたよ。
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……。
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