井上、よみがえる真の主砲 7月4日(日) ×横浜−中日○ 古くは、車田正美の名作『リングにかけろ』で、 世界大会の決勝・ギリシア戦で絶命したはずの日本ジュニアの5人が 何の医学的根拠もなく第2部開始と共に 生き返った ことに始まる。 「死んだはずの日本ジュニアが何故!?」 このあたり、ストーリー中では 「オルフェウスのカゲ腹」 だか 「和田のハゲ頭」 だか 「ハゲじゃないよ額が広いだけだよ川上」 とか、 何だかよく分からない事を言っていたが、 蘇生の理由は全く謎のまま、読者置いてけぼりで強引にストーリーは進行した。 ![]() 「感動的な死」で読者を泣かせておいて、すぐに生き返らせる詐欺的商法を最初にやった『リングにかけろ』 この 「一度死んだ人間が、何だか分からんけど生き返る」 という手法はこれ以後、 ジャンプの各漫画でパク、いや、応用され、 「友情・努力・勝利、死んだやつが生き返る」は “ジャンプ漫画の四大キーワード” として、一大ジャンプブームを築いたのである。 そして、やがては『ドラゴンボール』のような世界中で読まれる大ヒット作でさえ、 悟空やクリリンが何度死んでも 「どうせ生き返るんだろ」と、 “日常の出来事”として普通に受けいれられるようになった。 人々は知っている。 スーパースターというものは、 死んでも生き返る ものだと。 (むしろ、死ねば死にっぱなしの貧弱なヒーローなど、 ヒーローとして認められない時代になったと言える) つい前の日の試合では、井上の調子の三大バロメータとも言える 「内角低めの空振り」「見逃し三振」のもう一つ、 2死三塁からお家芸の「中途半端なハーフスイング」で チャンスを潰したばかりの井上、 ![]() 井上、気持ちは分かるがガックリしたのは客の方だ。 4月の大活躍は夢かまぼろしか。 またこれから4年間スランプが続くのか。 いや。 井上は、復活へ向けて着実にその階段を上がっていたのである!! 1−1の同点で迎えた4回、 井上は五輪日本代表にも選ばれた“日本のエース”三浦 (ただし、二段モーションのため五輪登板予定ナシ) のカットボールを捉え、 打球は高く遠く、横浜スタジアムのライトスタンドへ吸い込まれた!!! ![]() この日の井上は、勝ち越し2ランを含む3安打猛打賞、 守備でも好捕、強肩二塁刺しなど2つのスーパープレーを披露し、 完全復活を遂げたのだった!
死んだはずの井上が、生き返った!!
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