元締め、故郷に錦 〜第2戦〜 6月13日(日) ×ヤクルト−中日○ この日も試合は淡々と進む、秋田こまちスタジアム。 今日は“地元のスター”石川の登板がないので、 観客もどう盛り上がっていいか分からない様子。 それにしても様子が変だ。 秋田の人が奥ゆかしく内気な地域性で、 感情を表にはあまり出さないということは知っているが、静か過ぎないか? ヤクルトがチャンスで得点しても、まばらな拍手。 名古屋一家が得点機を逸しても、まばらな拍手。 なんというか、 本当にヤクルトを応援してる のだろうか? 「この中に、本当はどれくらいのヤクルトファンがいるのだろう」 「もしや、ここにいる連中は…」 昨日も感じた “疑惑” が再び頭をもたげる。 そして“決定的な場面”が訪れた!! 8回、それまで淡々としていた試合の中で、 地鳴りのような歓声 がこまちのスタンドを包む!!! 「サード、立浪に替わりまして、 川相。」 ええっ!? キミタチ、ヤクルトの応援じゃなかったのぉ!? そのとき、秋田入りしたときに語った、 セレモニーを拒否した落合親分の言葉が頭をよぎった。
上がるボルテージ、興奮に叫ぶ観客。 ほとぼしる熱さに上着を脱いだ両スタンドのお客さんの服の下から、 紛れも無い オレンジ色のシャツ が、確かに見えた。 試合は、2試合連続の1点差ゲームで名古屋一家が勝利したが、 ヤクルトファンであるはずの秋田のお客さんは、 「川相を見れた」という満足感 で一杯だった。ように見えた。
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