タニシゲ、元に戻る 5月29日(土) ○中日−阪神× 「こうやって画面からも見てても分かりますね。 タニシゲがものすごい怒って ますよ」 解説の小松辰雄が言う。 先発・野口の不安定なコントロールにタニシゲがキレて、 1球受けるたびにマウンドの野口に対し、感情ムキ出しで怒っているのだ。 デジャ・ヴュ。 昨年、何度見た光景だろう。 調子の良くない野口に向かって、キャッチャーが怒る。 「どうしてコントロールが悪いんだ!」 「どうして打たれるんだ!」
去年は監督・キャッチャーがいくら野口を怒っても怒鳴っても結果には結びつかず、 シーズン後半、 別の方法で 野口は調子を取り戻した。 しかし、今年は 「ピッチャーによって捕手を代える事はしない」 という落合親分の方針で、同じ“治療法”は使えない。
タニシゲが、元に戻った。 タニシゲ、進化の過程 そして両軍無得点のまま0−0で迎えた5回裏。 名古屋一家の攻撃は、 1死ながらランナーを二塁に置いてバッターは8番・タニシゲ。 三振。 2死となったところで、9番・野口が自らヒットを放ち(!)一三塁にしたが、 後続が続かずこの回は0点に終わった。
----ああ、打てないまでもタニシゲがランナーを進めていれば! しかし野口は、 「どうして進塁打も打てないんだ!」とは言わない。 怒鳴ったところでヒットや進塁打が出るわけじゃない事を、 野口は知っているからだ。 そして攻守変わった6回表、 タニシゲの痛恨パスボール で1点を失った野口は、 「自責点ゼロ」で勝ち投手の権利もないまま、マウンドを降りたのだった。
----ああ!タニシゲがせめてボールを体で止めていれば! それでも野口は 「どうしてボールを後ろに逸らすんだ!」とは言わない。 怒鳴ったところでエラーが無くなるわけじゃない事を、 野口は知っているからだ。
野口降板後の7回裏、それまで無安打の タニシゲのヒットを皮切りに3得点↑ |