野口、巣立ちのとき 4月3日(土) ○中日−広島× マウンドに向かう野口の心には、不安がよぎっていた。 「今日からは、一人で生きて行くんだ…」 2年前、突然の中村さん退団。 入れ替わりで新しく入ったキャッチャーの人とはどうも相性が合わず、 ろくな仕置きができないまま1年半が過ぎた。 そしてその苦悩を救ってくれたのが、柳沢の存在だった。 不調に悩むときは自らブルペンに入り、自分の球を受けてくれ、アドバイスをくれた。 試合で打たれたときは、「どうして打たれるんだ!」と責めるのではなく、 「どうしたら打たれないか、一緒に考えよう」と励ましてくれた。 野口に必要だったのは、制球力でもスタミナでもない。親身になってくれるパートナーだったのだ。 しかし、今年から落合親分が元締めに就任。 新しい元締めは、 「正捕手はシーズン途中に替えない」という方針のようだ。 野口だけに「専用キャッチャー」を当てるような、特別扱いはしないという。 もう柳沢さんはいない。 中村さんもいない。 これからは、自分一人の力で生きていかなければならないのだ。 「タニシゲさんのリードでも、勝ってみせる!!」 マウンドに立った野口の心には、もはや不安ではなく、決意がみなぎっていた。 「今日からは、一人でやって行くんだ!」 ![]() 「生まれ変わるんだ!!」 そして、その陰に仲間たちの友情。 ![]() 「だが捕手はタニシゲ。この意味が分かるか?」 ![]() 「5〜6失点は覚悟しとけ、ってことだ」 ![]() 「そうなる前に、序盤で7〜8点取っとこう!」 ![]() 「オーッ!!」 ナインの心が団結する!!
そして、試合はなんと序盤から名古屋一家が大量8点をリード! 徐々に息の合わなくっていった野口−谷繁のコンビは予想通り中盤につかまったが、 大量リードがものをいい、野口−谷繁のコンビでは実に久々の勝利を挙げたのだった!! 「こ、こんなに打線の援護をもらったのは生まれて初めてだ…」 ![]() やれば出来るじゃないか! 中日打線!!
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